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空色のカナリア  作者: 山門芳彦
第三章 戦争とマギア族と
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屋敷その二

「そんな事があったんですね」

「ええ。ジュードはマギアマキナをそのままにして行っちゃったの。でも、もしこの屋敷が襲われることがあったら、私はきっとマギアマキナに乗るでしょうね」

「シャーロットさん……」

「もしその時がきたら、メグちゃんを守るのはあなたよ。エマちゃん」


 シャーロットはエマの手を手元に持ってくると、昨夜使った拳銃をその掌にのせた。


「その銃は……」

「私にはこれがある。エマちゃんにも戦うための手段がないと。もしものことが起きた時では遅いから。頼むわね、エマちゃん。私にはきっと、この子のお母さん役はできないから」

「使い方だって分からないのに……!」

「銃口を向けてトリガーを引くだけよ。私が当たるようにおまじないを掛けておいたから」


 エマの傍らに立つメグは、しげしげとそれを見届けたかと思うと、「手伝いはないのかな?」と訊いてきた。


「ああ、ごめんなさい。マギアマキナの横に四脚のマキナがあるでしょ。あれのメンテナンスをするの。今度のデュオマキナのためにね。ジュードのマキナは壊れてしまったけど……。二人には手伝ってもらうわ。とりあえず、そこの工具を持って来てくれる?」

「……分かりました!」

「分かりました。お母さま」


 メグは、始めてシャーロットを母として呼んだのだった。


「メグ……」


 メグは、始めてやる作業に、慣れないながらも嬉々として取り組んでいた。


 ――その様子を、とある影に見られているとも知らずに。



 買い物に行ったサヤと屋敷の家事に精を出していたリンは、その気配に気付かなかった。ガレージの窓の横に、一人の男が立っていた。彼は、自身の主に連絡をした。


「首長、マーキュリー邸にて御子を見つけました」

『実によいタイミングで見つけてくれた。間もなく、オリジン中にアレが知れ渡る』

「はっ。では早速取り掛かります」


 ガレージの窓が割られた。


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