番外編 お化け屋敷 ③
「アカリちゃん!!
良かった、やっと合流できた!!
ごめんな、走って逃げてしもて!!」
「ええで。」
良かった!!
安心してアカリちゃんに抱き着こうとするとサッと避けられた。
地味に傷つくなあ、、、、。
「それよりも早く行こ。」
「う、うん。」
アカリちゃん怒らしてしもたんかな。
そりゃそうやんなあ。
アカリちゃんおいて走って逃げてしもたからなあ。
ぶつぶつと考え事をしながら私は、アカリちゃんの方へついていった。
「なあ、これ道あってる?」
ウチは不安に思いながらアカリちゃんに尋ねた。
さっきからアカリちゃんに色々話かけているが生返事のようなものしか返ってこない。
おまけに、長い時間歩いているのにもかかわらず、出口に着く気配すらない。
「大丈夫。
私についてきて。」
なんかアカリちゃんの様子もおかしい気がする。
「なあ、ほんまにアカリちゃんなん?」
そう尋ねるとアカリちゃんはピタッと止まった。
やばい、更に怒らせてしまったかな、、。
「私、忘れ物があるから先に行ってて。
このまま真っ直ぐ進んだら出口に着くから。」
そう言うとアカリちゃんは元来た道を引き返しスタスタと歩いて行ってしまった。
これ以上墓穴を掘るのは不味いと思いウチは素直にアカリちゃんに従い出口の方へと向かった。
出口近くに行くと明るい日差しが眩しくて思わず目を細めた。
すると、ガバッと視界が遮られた。
「ユキリーン!!
大丈夫やった?怪我してない??」
アカリちゃんは私を抱きしめながら心配そうに声を掛けてきた。
「アカリちゃん!
忘れ物はもうええの?」
「忘れ物?何の話?
私、ユキリンと離れてからずっと探してたんやけど、見つからんくて先に出て来てんよ。
係の人にも言うて一緒に探してもらってたんやで。」
アカリちゃんは泣きそうになりながら言葉をかけて来た。
途中でアカリちゃんと合流したはずなんやけどなぁ。
今にも泣きそうなアカリちゃんにはその事は伝えられ無かった。
これ以上アカリちゃんに心配はかけられない。
「心配かけてごめんな。
それと走って逃げてもてごめんな。
ウチは大丈夫やで!
待っててくれてありがとう!」
「ユキリーン、ほんまに良かったよーー!!」
アカリちゃんは私を更に強く抱きしめながらそう言った。
それにしてもあれは誰やったんやろ?
もしかしてアカリちゃんのフリした幽霊やったんかな?
迷子になったウチを助けてくれたんかも知れへんな。
ありがとう、幽霊さん!
「うん!
ウチな幽霊にあったかもしれへん!」
「ほんまに!?
大丈夫やったん??」
また、アカリちゃんは心配そうな顔を見せた。
「大丈夫やで、その幽霊さんええ人やったから!」
「ふふ、なにそれ。」
ウチらはそんな会話をしながら家へと向かった。