百合ちゃん登場
この日童貞たちは、いつもの空き教室で暇を持て余していた。
井上「暇だぜ、何か面白い事はないかい?」
香川「俺はないな。」
湯澤「右に同じく」
井上「だよな〜」
中村「そういや、田宮から連絡が来てるぜ。今からここに来るらしい。」
井上「田宮が来るのなんて久しぶりじゃないか。最近全然来ないし。」
湯澤「彼女が束縛、凄いって聞くな。」
香川「えっ、田宮、彼女居んの?」
その時ドアをノックする音が聞こえた。
田宮「やぁ!」
井上「やぁ、久しぶりじゃないか!最近見かけなかったけどどうした?」
田宮「どうしたもこうしたもねえよ!彼女の束縛がひどいんだ。君たちと遊ぶのが気にくわないらしい。」
中村「なんだそれ!イかれてるぜ!」
田宮「おいっ、なんてことを言うんだ!まあいいや、久々に遊ぼうぜ!」
部屋の鍵をしめ、田宮は中に入ってきた。
井上「あぁ、する事はないけどな!」
湯澤「彼女名前なんていうの?写真見せろよ!女の子紹介しろよ!」
田宮「湯澤さん、がっつきすぎだ!最近本当なんか束縛に疲れちまって、君たちと遊ぶのがこんな楽しみなんて初めてだぜ。」
ドンドン
一同「んっ?」
激しくドアを叩く音が聞こえる。
湯澤「なんだ?」
鍵を開けようと湯澤が動いた。
田宮「おいっ、待て!」
制止も虚しく湯澤はドアを開けた。
ドアには怒りの形相をした女が立っていた。
湯澤「やぁ、いらっしゃい。どうしたの?」
湯澤は女が来たというだけで浮かれてしまい、女の様子に気付いてないみたいだ。
百合「おいっ、田宮。こいつらと遊んじゃダメって言ってるだろう。」
ズカズカと田宮に近づいてきて連れ去っていった。
中村「凄えな、あの女。」
井上「おい、湯澤くん、いつまでニヤニヤしてるんだよ!なぁ、こっそりあの2人の後をつけてみないか?」
中村「あぁ。てかあの女俺らをゴミクズ同然に扱ってないか?胸糞だわ。」
香川「くっそ、田宮に彼女なんて」
井上「よし、とりあえず行くぞ。」
廊下に出ると百合が持っていたお茶がブチまけてあった。
井上「うーむ、なんか危険そうだ、後で田宮に色々聞くとして戻ろうか?」
中村「あぁ、そうだな。てか、湯澤まだニヤけてるのかよ!」
湯澤「女性と会話するのが久しぶりだったからね。」
香川「くそ、俺も彼女ぐらい。」
香川はずっと何かを呟いていた。