アンドロイド日和5.5話〜更新プログラム聞き取り前日 僕の不安〜
マニュアル通り、日和のメンテナンスを始める。メンテナンスの際、服を脱がなくてはならないのだが、彼女は恥じらいを見せない。せめて隠せというのだが、日和はまた泣き出してしまう。
とはいえメンテナンス、僕は彼女の背中にある蓋を開けた。
そしたら彼女が悲鳴をあげ、全身が震えだした。
体は火照り、苦しい声を上げる日和。ちなみにマニュアルには異常なしと書いてある。
日和が古河によるメンテナンスを拒否したのは、恥じらいゆえだった。が、しないといけないので、日和にメンテナンスを続けていいかを聞き、メンテナンスを続行する。
パソコンにメンテナンス用のプログラムをインストールする。日和は呻き声、下手したら嬌声を発し出す。
とまぁいろんなことがあったが日和の頑張りでメンテナンス完了。
その後、父親に電話をし、このメンテナンス時の仕様をなんとかしろと言ったら、近いうちにプログラムを更新するから聞き取りすると言われ、切られてしまう。
この際に変なプログラムでも入れるのではないかと言う一抹の不安を感じるのであった。
プログラム更新についての連絡が来たのは、それからすぐのことだった。
「もしもし、僕っ子?社長から聞いたと思うけど更新プログラムについて色々と聞くから明日空いてる?」
「空いてるけど、どこに行けばいいんだ?」
「あんたの家。」
それを聞いて、大きな不安がよぎった。前回、古河が家に来た時、日和が怒って古河に刃物を向けたという事件があったばかり。この人にはそういう恐怖心とかはないのだろうか?
「本当にいいのか?」
「なんで、日和ちゃん一緒にいる方がいいでしょ。」
もうどうにでもなれと、その時は思った。
「わかった。せめて命を守るものぐらい装着してこい。」
最後に僕はそう言って、電話を切った。
僕は悩んでいた。日和に更新の聞き取りで古河が家に来るということを言うべきか否や。ちなみに日和は今、野菜を切ろうとしている。僕が包丁の持ち方、猫の手、切り方を1から全て教え込んで、ようやく普通に扱えるようになった。最近日和はサラダ担当となっている。
「お兄ちゃん、電話は誰からですか?」
「え……あの……学校の人……。」
さすがに古河のことを言うのはためらって、つい嘘をついてしまった。
「そうですか。」
そう言って、日和はニコッと微笑んだ。そして再び野菜を切り始める。
さて、どうすることかな。僕は大きくため息をついた。どうか我が家に血の惨劇が起こらないことを祈る。
更新プログラムの聞き取りのために古河が家にやってくる。だが古河が入室早々、日和が包丁を持って臨戦態勢をとる。(番外編を挟みます。)