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アンドロイド日和シリーズ  作者: おとなしさん
アンドロイド日和 1st story
5/10

アンドロイド日和5話〜日和のメンテナンスは……すぎた〜

家に帰ると、部屋がボロボロになっていた。玄関にはムッとした表情の日和。問いただすと部屋の奥から声が、声の主は日和研究所の使いで幼馴染の古河みやこだった。彼女は日和のメンテナンスをするためにきたという。だが日和はメンテナンスを拒否したのだという。乱暴にメンテナンスをさせようとした古河も悪いと思ったが、いうことを聞かない日和にも非があると彼女にいったら泣き出してしまう。


そしたら古河は女の子をなかせた罰だと言って、僕に羽交い絞めを食らわせる。そしたらやめてくださいと、日和がものすごい怖い表情で古河をにらみつけていた。しかも右手には包丁が……。しかもやめないと腹部に包丁を突き刺すという。それを聞いて怖気付いた古河は技を解いた。


包丁を落とし僕に抱きついてきた日和の頭を撫でる。その横から古河がメンテナンス……というが、日和はあなたにしてもらいたくないという。仕方なく僕がメンテナンスをすることになった。

ーーまず、日和の背中にある蓋を開けて、その中にある青いUSBケーブルをパソコンに接続して日和管理プログラムをインストールする。


「だからね……日和。服を……。」


「はい、脱ぎました。」


彼女は腕をクロスにしてスカートを握り、そのまま服を脱いだ。それを見てあわてて僕は彼女に背を向けた。


「……あのさ、日和。君は普段下着をつけないんだからさ、せめて恥じらいを持って脱いで、手で隠すとかさ、そういうことをしようよ。」


 締め付けられてるみたいで嫌だ。という理由で、彼女は下着をつけようとしない。まぁ家から出ることがないからいい……からといって流石にまずいので、つけるようにいうのだが、その度に『お兄ちゃんのいうことを聞かない悪い子』と泣き出すものだから、結局根負けして許してしまう。だから今は彼女に恥じらいを覚えさせる方向にシフトチェンジしている。そうすれば、下着を着てくれるだろうと思うのだが……


「グスッ……私……また、お兄ちゃんの……いうこと…グスッ……私……悪い子です……」


今回もこんな感じ。注意するとすぐに泣き出してしまう。とはいえ、今日はメンテナンスだ。


「まぁ、今日はいいや、とりあえず、メンテナンス始めるから座って。」


「グスッ……でも……私……」


「いいから、蓋開けるよ。」


そう言って僕は彼女を床に座らせて背中に回った。ついでに彼女の左腕を胸を掴んで胸に押し当てておいた。


「にしても、日和ってどう見ても普通の人間なのにね。この蓋以外は。」


 彼女の背中には正方形の切り込みがあり、右端に沈み込んだ取っ手がある。外見から彼女がアンドロイドだとわかる唯一の部分なのだが、僕はそこに手をかけて、蓋を開けた。


「ヒャッ」


びっくりした。彼女は突然悲鳴をあげた。


「大丈夫か、日和。」


そう言って彼女のかたをさわった。


「ヒャッ」


また悲鳴をあげた。彼女の肩から伝わってくる。彼女は全身が震えているようだ。


「はぁ、はぁ、はぁ。なんだか、はぁ、変な、気分です……。」


彼女の吐息がだんだん激しくなる。体が少し熱くなっており、顔も真っ赤。汗も出ており(あれ、汗?)これは本当に大丈夫だろうか。僕はマニュアルをもう一度読み込んだ。


ーー(注意)蓋をあけると、日和は全身が痙攣し、呼吸が荒くなる。メンテナンス実施中はさらに激しくなるが、異常動作ではない。


僕は大きくため息をした。同時に彼女がメンテナンスを拒否した理由がなんとなくわかった。それと同時に、今までないと思っていた彼女にも、一応恥じらいはあるのだと感じた。僕以外には……。


「日和、僕がメンテナンスをして、本当にいいんだね。」


「はぁ、はぁ、はい、はぁ。私は、他の人のじゃ……嫌です……お兄ちゃんにメンテナンス、はぁ、お願いしたいです……」


その言葉を聞き、僕は蓋に入ったUSBケーブルを取り出し、ノートパソコンにつなげて、メンテナンス用プログラムのインストールを開始した。


「うゔっ。うゔっ。あっ。そこっ。あっ。」


インストール開始した途端、彼女からは呻き声、下手したら嬌声らしきものが漏れ始め、彼女は手で口を押さえる。


ーーこの後、僕はメンテナンス作業を進めるのだが、さすがにその時のことを『なろう』で公開するのは、さすがにいろんな面で問題になる気がするから省略させてもらうが、ただただ最後まで彼女はよく頑張ったと思う。


「日和、よく頑張ったね。」


「はい、お兄ちゃんが、いてくれたから……」


僕は彼女の頭を撫でてあげた。彼女は本当によくやった。心からそう思った。




そのあと、僕は実家に電話をかけた。


「もしもし、お前か。どうした。」


「どうしたじゃない。メンテナンス中の日和はあれはどういうことだ。」


今回のことを父親に問い詰める。


「だって、そりゃ痛い顔をしてくるよりかはいいだろ。」


「いや、痛そう、というか、いやらし……苦しそうだろ。メンテナンス側の心も痛む。せめてそのあたりなんとかしてくれ。」


そういうと、電話越しの父親が少し黙り込む。数秒して、声が入って着た。


「まぁ日和を送ってしばらくだしな。そろそろプログラムを更新したいと思っていたところだ。」


「更新?」


「まぁ、実際に稼働して見ないとわからないものとかもあるしな。今度またみやこちゃん送るから、日和ちゃんのプログラム更新の意見を出してほしい。というわけで頼む。」


「頼むってそんな急に言われても。」


「今週末にそっちに派遣するからよろしく。」


そのまま一方的に切られた。更新と聞いて、この際に変なプログラムでも入れるのではないかという一抹の不安を感じた。


 僕は服を着ずそのまま床の上で眠りに落ちてしまった日和を見る。寝ている彼女の顔は、無防備で、純粋で、可愛くて、僕まで眠くなってしまう。


 そしてそのまま、僕はそのままの日和の隣で眠りについた。

coming soon……

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