光と影
謎の魔導士が現れ去っていくまでどれくらいの時間が過ぎたのだろうか。フクロウも鳴き始めてきた。パーティの事で頭いっぱいになった。
「どうしよう!パーティ。間に合うかな?」
そこで、ラシェはハッとした。さっきの実の力が本当なら……。
「お願い、私をお城へ連れてって‼︎」
その瞬間体が紫色の光を放ち、目が眩み始めたかと思うと、いつの間にかにお城の門前まで来ていたのだった。
「なにこれ⁉︎ すごい‼︎ あ、でもこの格好じゃ……。 よし、ドレスの準備しなくちゃ!」
パァァァァア……
ラシェは夢のようで、もう今までの悲しさなんて忘れてしまったみたいに嬉しかった。
(感動しちゃう……。夢じゃ……ないんだよね……?)
あまりの嬉しさに涙するくらいだった。
「ぉお〜〜‼︎ 使いこなせてるんだね〜 すごいね」
またまた、近くの木の茂みからひょっこり魔導士が現れた。
「びっ……びっくりしたーー!脅かさないでよ……!」
「あははwごめんごめん。まぁ、俺が現れたのには訳は一つしかない。代償について伝えておくよ。」
ラシェは浮かれて忘れていた。そういえば、代償が必要だった。
「その代償はね………
王子の命を奪うこと。
……いいね?簡単でしょw」
魔導士は、ケラっと笑う。
「待って!!! そんなの人殺しじゃない!! 代償とは言えど、それはむr……んっ!!」
口を押さえられた。
***
「プハァ……何するんですかっ!」
咄嗟に魔導士の手を払った。
「……そのあとの言葉言っちゃうと取り返しつかないからね?危うく、君の夢や人生がパァだったところだよ。」
「!!!」
ラシェは固まった。
「悪いけど代償は絶対服従なんだよ。なんと言おうと逃れられるモノじゃないんだよ。」
「そ……そんなのって……。」
私は瞬きもできなかった。
「ま、まぁそんなに気を落とさないでよっ。君ならできるよ!でも、期限はそう長くない。一層、今日思いっきり楽しんだ後でも構わないよ?
あと、この事は誰にも口外しちゃだめだから。
じゃあね。………その時までずっと見てるから。」
そう、言い残してまたまた消えてしまった。
代償が、思った以上にとても辛く厳しく重いものだったのだ。
ラシェは、受け入れなければいけない現実にすっかり怯えてしまい、ずっと立ち竦んでいた。
……
( ?……あれは誰だ……? )