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踏み入れたことのない世界
今起きてることが夢だったらいいのに、とか。
ふとした瞬間に、誰かが自分を元の日常に戻してくれる、とか。
毎度そんな妄想にふけって眠りについても、朝には辛い現実を突きつけられて。
人の生涯で起きる出来事は大きく分けて二つ。
嬉しいことと悲しいこと、しかもそれは同じ割合で訪れる。
―――この先、自分に訪れるのは?
今思えば、小さい頃に幸せな思いをしてしまったから、今こうして自分は不幸なのかもしれない。
もしくは、このまま命が尽きるのか。
考えただけでもゾッとする。
今日はもう、明日に備えて眠るとしよう。
何しろ、明日訪れるのは自分も足を踏み入れたことのない世界だ。
走ることもままならないこの体に鞭を打って、明日この地を去るのだ。
以上でエピローグです、ありがとうございました。
次からの話は2、3話ほどちゃんと出来上がってから投稿したいと思います。
また覗きにきてください。