ブレスレットとイヤーカフス
「うわーーここのケーキすごい。目移りしちゃう」
私はケーキのショーウィンドウにくっつく勢いでケーキを眺めている。
「だったら、ここで1個食べて、残りはお土産のにしたら?」
「直人さん!最高です。そうしましょう。歩きっぱなしで疲れたし、お茶飲みたいです」
私達はケーキと紅茶をオーダーして、窓際の席に座る。お買い物のせいで、荷物がいっぱいだ。
「チャールズさんが馬車を呼んでくれるって、後1時間したらここに迎えに来てくれるそうだよ。荷物が多くなったから、流石に歩きで持って帰るのは大変だし」
お店の人がケーキとティーセットを持ってきてくれた。私はイチゴのケーキ、直人さんはモンブランだ。そっちも美味しそうだなとじーっと見ていたら、直人さんが笑いながら。
「一口食べる?」と聞いてきた。
「ありがとうございます!」
私は躊躇なく、直人さんが持っていたフォークをパクッと咥える。
うん、美味しい。
なんか、直人さんが固まってる。
そして私の方に押し出していた、お皿を自分の方に引き寄せてる。
「どうしました??直人さんも私のケーキも味見します?」
「え?あ!大丈夫だ。ありがとう」
直人さんはやや無言で残りのケーキを食べている。
「そういえば、直人さんは武器屋さんで何を買ったんですか?」
「俺に合わせた鎧と剣だよ。今までのは借り物だったしね。それで、ミキにお願いがあるんだ」
私はあっという間にケーキを食べ終わって、紅茶を飲んでいたが、やや真剣な直人さんの声にびっくりした。今日のお礼の頭撫で撫でかしら?
「俺はこれから遠征の前まで、ジョンさんの所で泊まり込みで、騎士トレーニングをする。その間は王宮には戻らないので、カトリーヌの世話と散歩をお願いしてもいいか?」
「え?トレーニング?泊まり込み?なんで直人さんが?」
「前回の討伐で気がついたんだ、俺は馬にも乗れないし、剣も使えない。たとえ演技としても護衛騎士役なんだから、ミキとカトリーヌを守るぐらいは出来るようになりたいんだ」
「凄いですね、直人さんの向上心。私なんか趣味の物買うぐらいしか考えてなかったのに」
「ミキは治癒能力があるじゃないか。すごく人の為になっているよ」
「自分の二日酔い治すのに使ったんですけどね」
「二日酔いも治せるのか?今度頼むよ」と直人さんは大笑いしている。
すると窓を外からノックされた。チャールズさんと馬車が外にいる。
「もうお迎えが来たな、早かったな」
私達はチャールズさんと行者さんに手伝ってもらい、荷物を馬車に入れてから乗り込んだ。
直人さんはネックレスを外して、元の姿に戻る。
やっぱり直人さんは黒髪の方がしっくりくる。
「お買い物いっぱいできて、楽しかった!」
「俺は明日は朝が早いから、カトリーヌはメイドさんにミキの部屋に連れて行ってもらうように話しておくな」
「分かりました。てことは1週間、直人さんに会えないんですか?コンビニで働いていた時だって、会えないのは週末だけだったのに」
「おや?俺に会えなくて寂しい?」と揶揄うように聞いてくる。
寂しいのかな?ここに来てから、直人さんがいない日はなかったから。。。
「うん、多分」
直人さんはそんな私をじっと見て、ポケットから何か出した。
「これ、さっき買ったんだ。カトリーヌのお世話のお礼に」
それは銀色のブレスレットで、虹色の入っている乳白色の石が付いている。
「うわーーかわいい。ムーンストーンみたい」
「これは魔石でこの石と対になっているんだ」と直人さんは同じような乳白色の石がついたイアーカフスを出す。
「もし離れ離れになった時、この石に魔力を込めるともう一つの石の位置を教えてくれるんだと」
「えーーすごい、やってみていいですか?魔力ってどうこめるのかな?光れ!」
私がそういうと二つの石から細い糸のような光が出て繋がった。石同士を離しても光はちゃんと伸びて繋がっている。
「これで私と直人さんは何処にいても見つけられますね」
「そうだね、討伐だと何が起こるかわからないから、念のため」
直人さんは私にブレスレットをつけてくれたので、私も直人さんにイアーカフスをつけてあげようとしたら、馬車がぐらっと揺れて、倒れそうになり、直人さんが私の体を抱きしめるように抱えてくれた。
「びっくりした、もう大丈夫ですよありがとうございます」
でも直人さんは私を離さない。
「直人さん?」
「ミキ、、俺は」
その時ちょうど馬車が停まった。
どうやら王宮についたようだ。
直人さんはパッと私を離して、ドアを開けてくれた行者さんと荷物を下ろしてくれた。
私達は部屋に戻って、私はメイドさんに手伝って貰って、ウィッグを外し元の姿に戻った。夕ご飯はお腹がいっぱいなので今日もパスだな。
部屋着兼寝巻きのチュニックドレスに着替える。やっぱり楽で良いわーこの格好。
机の上にある今日の買い物の戦利品を見ると。
あ、私。。直人さんのイアーカフスを持ってきちゃった。朝が早いって言ってたから、今のうちに渡さないと。
寝巻きチュニックドレスは大きめなので膝よりちょい上だけど、この国の人はこれでも卒倒レベルだから。廊下から行って誰かに見られるとびっくりされそうなので、バルコニーから行くかな。隣の部屋なので繋がっているし。
隣の部屋の前に行くと、カーテンは開いていて、カトリーヌちゃんがお土産のお肉を食べているのが見えた。
バルコニーへのドアを叩くと、カトリーヌちゃんが私に気がついて、吠えている。直人さんにお知らせしてくれたのかしら。
カトリーヌちゃんがドアをカリカリ引っ掻いたので、ドアを開けると、私の服を咥えて引っ張る。
でも直人さんの姿はない。
「あれ?直人さんいないの?出直してくるよ」というと。
カトリーヌちゃんがまたワンワンとないた。
するとバスルームのドアがガチャっと開いて、腰にタオルを巻いただけの半裸の直人さんが出てきた。
「なんだよカトリーヌ、おかわりはもうないって言ったろ、急かしやがって」
「ぎゃーーすみません!!」私が叫ぶと。
「うおーーなんでミキがいるんだ!!」と直人さんはバスルームに舞い戻り、バスローブをきて出てきた。
「ごめんなさい、私がバルコニーから来たから。お部屋にいないけど、カトリーヌちゃんが入って良いって言ったので外に行ったんだと思ってました!!何もみてません。思ったより筋肉質の体とか全然みてません!」
「思ったより?思いっきり見てるじゃん。なんでバルコニーから。。。ああ、そのミニのドレス着てるからか」
「短くないです。ちょっと膝上なだけです。さっき、イアーカフスを持ってきちゃったので、届けにきただけです。し。。失礼しました!」
私はイアーカフスをテーブルに置いて、またバルコニーに戻ろうとしたら。いつの間にか近くにいた直人さんに手を取られた。
「ねえ、さっきの続き、ミキが俺につけてくれる?」
うわーー、濡れ髪の直人さん。こんなに色気あったっけ??
「え?は!はい。左でいいですか?ちょっと屈んでください、届かないです」
私は直人さんにベットに座って貰って、イアーカフスをつけようとするが、耳を触られてくすぐったいのか直人さんが動くのでなかなか上手くいかない。
「もう、動かないでください!」
頭を左手で押さえて固定してやっとつけれた。
やれやれ。。前を向くと、直人さんの顔がすぐそこにあった。私はどきっとして目線を外そうと横を向くと、頬に暖かい感触が。。。
直人さんは私の頬にキスをしてる?
「ありがとう、俺が訓練中でここにいない間。毎日寝る前にさっきの光を出してくれないか?おやすみっていう代わりに」
私は何もいえず、首をブンブンと縦に振るだけだった。
直人さんは私を連れてバルコニーに出て、私の部屋に連れて行ってくれた。
「おやすみミキ、カトリーヌの事頼んだよ」とさっきキスした方のほっぺを触って、直人さんは部屋に戻って行った。
私は部屋に入ってベットにダイブした。
「何あれ!!かっこよすぎじゃない?」
ちょっと直人さんが積極的になってきました。




