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テスト討伐

そしてテスト討伐に出発する日になった。


国民へのお披露目も兼ねているので、王都を出るまでは聖女服を着るらしい。朝からまた疲労困憊だがチュニックのリラックス服は用意してあるし、王都を出るまでの我慢だ。


部屋を出ると丁度、直人さんとカトリーヌちゃんの部屋から出てきた。


「直人さん、カトリーヌちゃんおはよう。カトリーヌちゃん、今日は一段ともふもふでかわいい。直人さんも騎士服がカッコいいですよ」と言うと。


「ミキもそのその服を着ていると、本当の聖女様みたいだな」


私達が歩いていると、イグニアス殿下が前からやってきた。


「ミキ嬢、いや聖女様、私に貴方をエスコートする栄誉をお与えください」と言ってスッと私の手をとる。


流石、生まれながらの王子。自然なエスコートにちょっと感心してしまった。


カトリーヌちゃんがバウと吠えたので、振り向くと。何故か直人さんがカトリーヌちゃんに怒られいるような感じだ。


そのまま、殿下に馬車までエスコートされ。3人と1匹で馬車に乗り込む。カトリーヌちゃん要望のクッションもあった。むっちゃフカフカで豪華なのだった。


殿下の護衛騎士さん達やお付きのアランさんは馬に乗って馬車の脇を進む。ジョンさんも見えるが、顔が怒ってるような。今日は仕事なので金髪のクロード団長だ。


あの串焼き肉を食べた広場にはいっぱい人は集まっていた。


「笑顔で手を振るんだ」とイグニアス殿下が見本を見せてくれた。殿下は素晴らしい笑顔を振りまいて、優雅に手を振る。でも私がするとギクシャクしてロボットのようになってしまう。庶民には難しい。


中心部を抜け、街外れの家の前を通りかかると、アイラさん達が見えた。


ジョンさんはすかさず、馬を降りてアイラさんを抱きしめてキスしてる。


「まだ出てって、1時間もしてませんよ」と頭を撫でられてるジョンさんをみんなが生温い笑顔で見ている。殿下はいつもの事だとため息をついていた。


「ミキちゃん達も頑張ってね」とアイラさんがクッキーをくれた。すごく嬉しい。

早く食べたいな。


そうしてどんどん道を進んでいくと誰もいない、真っ直ぐな道が続くだけになった。


「さて、そろそろ着替えていいですか?」とイグニアス殿下に聞くと、

「構わないが。。どこで、うわ!何をする」


私は聖女服を2人の前で脱ぎ始める。下にリラックス服を重ね着しておいたので特に問題はないはず。上着を脱ぐ時にお腹がちょっと見えたぐらいだ。


やっと聖女服を脱ぎ終わると。


目の前には斜めになったイグニアス殿下と、馬から落ちそうになっているアランさんが外に見え、直人さんからは怒ってますオーラが出ている。

「お前な、こいつらは免疫がないんだから、腹を見せるのもダメだ」


「えーー体操着に着替える時とかこれぐらい。。。。」


「いいから、次からはカーテンを引くか、先に目を閉じろとか言ってくれ」


「はーい」


「ミキ、お前もしかして女子高出身か?彼氏とかいたのか」


「高校は女子高ですよ。彼氏は幼稚園の時の幼馴染ぐらいかな」


「直人殿、女子高とはなんだ?」


「女だけの学校の事だ。女子高の奴らは男の目がないから、やりたい放題で人前で着替えたり、下着がちょっと見えるのもなんの抵抗もない。羞恥心がなくておっさん化するんだ。俺の妹もそうだった。夏は下着で家の中をうろうろしていた」


「そ。。それは想像ができないな」とイグニアス殿下はちょっとひいてる。


私もそれやるな。。とつい思ってしまった。


お昼はシェフが詰めてくれたお弁当を川のほとりで食べて、なんかピクニックみたいで楽しい。


そしてやっと問題の森に着いた。


野営の準備をしている間、ジョンさんが黒騎士団員数名を連れて先発隊として森の中に入って行く。


30分後ぐらいに戻ってきて、森の奥に大ウサギの巣があり、その周りに数10匹の大ウサギがいたそうだ。


「ウサギの魔獣ですか?」


「ああ、大ウサギは肉食だからな、牙も鋭いし、何より大きい、あの足で蹴られれば、骨折どころじゃ済まない。そして飛ぶんだ、背中に小さな羽が生えている。ワイバーンほど飛べないが練習にはなるだろう」


私と直人さんはウサギぐらいなら安心と思ってたのでびっくりだ。


「ちなみに大きいとは?」


「俺の馬ぐらいだな」とジョンさんは普通の馬より大きめな黒毛の馬を指す。


「「でか!」」


「ウサギなんてそんなもんだろ?アイラも子供が産まれたらウサギをペットに飼いたいとか言ってたが、場所がないし餌が大変だし、子供が食われるかもしれない。子供が噛まれたり、蹴られたりして危ないからやめた方がいいと言ったら、過保護ねって笑っていたが。もしかしてお前らの世界のウサギは小さいのか?」


「ウサギはカトリーヌちゃんより小さくて、草食ですし飛びません」と私が言うと。


「子供の頃飼っていたと言ってたから、すごい家だなと思ってたんだが。そうか。。本気で欲しければ捕まえようと思っていたんだが」


え?肉食の空飛ぶウサギを捕まえる?


「ジョンさん、アイラさんはそんなウサギ見たらきっと腰を抜かしますよ」


「聞いておいて良かったよ。また怒られる所だった」


またって前は何をしたんだろうか?異世界カップルも大変ね。


「じゃあ本題だ。お前らはフィレーナから物理、魔法攻撃無効化のスキル貰ってるんだよな」


「はい、でも1日1回だけだそうです。それは俺とミキの両方に、あと単独に俺は動物と話せるスキル、ミキは治癒魔法を持ってます」と直人さんが言うと。


「1日1回だと?あのポンコツ女神、じゃあ噛まれても1回は大丈夫だな、ひと飲みにされたらわかんないが」


。。。。絶対嫌だ。


するとカトリーヌちゃんが寄ってきた。


「団長さん、カトリーヌが大うさぎの群れが近づいてくる気配がすると言ってます」

と直人さんが叫ぶ。


「よし、全員配置につけ。お前らは俺たちが両脇を囲むからな」


地響きが近づいてくる。木をなぎ倒しながら、大ウサギが来た。


「うわ、でっかい」

「全然、ウサギに見えない」

想像以上に大きかった。あれで肉食。。。


団長さん達が身構えた瞬間、カトリーヌちゃんが口を開けた。音が出ているわけではないが、何かが出ているようで、数匹のウサギがバタバタ倒れた。あれが咆哮なのかな?


すごいなカトリーヌちゃん。


数分後には見渡す限りの大ウサギの山ができた。


「俺たちの出番がないな、夕ご飯の材料はいっぱいできたが」とジョンさんがウキウキしてる。


「え?食べるのこれ?」


「何言ってるんだ、市場のカイルの串焼き肉はこの肉使ってるんだぞ」


それを聞いたカトリーヌちゃんは大はしゃぎだ。美味しかったものねあれ。


私がよく見ようと思って、大ウサギに近づくと。


カトリーヌちゃんが突然吠えた。


その瞬間誰かに抱きしめられて、上から押しつぶされた。

「な。。なに?」

目の前には白いもふもふしか見えない。

後ろから「大丈夫か?」と言うくぐもった声が聞こえた。この声は。。「直人さん?」


「大丈夫か?ミキ、直人?」とジョンさんの声も聞こえる。


「おーい手伝ってくれ」とジョンさんが言うと2-3人の騎士が大ウサギをどかしてくれた。


どうやら、まだ1匹大ウサギが生きていていて、飛んで逃げようとした所をカトリーヌちゃんが攻撃したが。真下に私がいたみたいで、大ウサギが私に向かって落ちてきたので直人さんが庇ってくれたみたいだ。


「よかったな小さめな奴で。お前らは防御の加護があるが、これは攻撃ではないから普通に怪我をするぞ」と言って私の手を取って立ち上がらせてくれる。


「直人さん、大丈夫ですか?」とまだ転がっている直人さんに声をかけるが、なんか顔色が悪い。


「おい、直人。立ち上がれるか?」とジョンさんが聞くと


「右足が。。。」


「あ、折れてるなこれ」


「ぎゃーー大変!!直人さんごめんなさい」


「いや、こいつが庇わなければ、ミキは骨折じゃ済まなかったろう。あれはいい動きだった、直人。黒騎士団入るか?髪も黒いし」とジョンさんが感心してるが。


「スカウトする場面じゃないです。えっと、病院!お医者様!!」と私は大騒ぎだが。


ジョンさんが呆れたように私をみてる。

「お前、治癒魔法持ってるんだろ」


あ。。。そうだ。


「直人さん、待っててくださいね。えっと。。どうするんだ?痛いの痛いの飛んでけー」と私が折れているらしき足に手を乗せて言うと。


なんか手が光った。


「あ、もう痛くない。凄いな」と直人さんがスクッとたった。


「良かった。。。」私は思わず泣きそうになってしまった。




大ウサギは耳がついてモコモコしている事以外はウサギの形状をしてません。どちらかと言うと牛に近いものと思っていただければ。

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