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俺が助ける

(直人視点です)

「はぁ。。。。本当に勘弁してほしい」


俺は酒を飲みながら、チャールズさんに愚痴を垂れている。


「明日は討伐だからあまり飲まない方がいいが、ストレス溜まってそうだしな」


「一杯だけで我慢しますよ。帰りは俺はミキと一緒にいてもいいんですよね?」


「ああ、おそらく団長は俺に全て丸投げして、1人で先に帰るとかいうはずだ」


出発前にチャールズさんにされたお願い。。。いやあれは黒騎士団全員に懇願された。


団長がアイラさん不足でピリピリしている時に、俺とミキが一緒にいる所を見たら、余計にイラついて訓練という名のストレス発散をされると。


だからアランさんにも相談したら、二つ返事で馬を貸してくれた。


本当はアランさんとミキを一緒の馬車に乗せるなんて嫌なんだが。。。


「直人。お前どうなるかと思ったけど、馬に乗るの上手くなったな」


「流石にこれだけ乗れば。。もう毎日尻が痛くて」


「だろうな。。でもいいのか?お前はミキ様と一緒に乗りたかったんじゃないのか?」


「いやーー今回は無理です。それとアランさんに頼まれたってのもあるし。近くにいたいらしい」


「えーーお前はそれでいいのか?」


「俺は構わないな。世話をするのが減るし、あいつ結構面倒くさいから。アランさんも幸せなら、丁度良いです」


アランさんの持っていた人形を見て気がついた。


アランさんはミキじゃなくてカトリーヌが大好きなんだと。


「アランさん、もしかしてカトリーヌのこと」


「ええ、私の一目惚れです。あのキリッとした眼差し、短いのにあのもふもふ感。こちらにはいない犬種ですので。衝撃を受けました。カトリーヌ様は直人様の家族ですが、私もお世話をしたいのです」


「カトリーヌは元々は俺の祖母の犬だし、散歩とかしてくれるなら大歓迎だ」


そうしたら俺がミキとの時間が取れるし。

ああ、あのキス。ミキの唇は想像以上に柔らかくて、もう何度もしたかった。


あの時理性を振り絞って、おやすみって言った俺を自分で褒めたい。


でも次をしたらどうなるかわからない。


なるべく考えない様に、団長の前でイチャイチャしない様に、本当にこの4日間は辛かった。


何か、ミキに会いたすぎて、ミキがそこに見える。


え?ミキ?


団長がミキに話しかけると、ミキは戻って行ってしまった。


ジョン団長がこっちにやってくる。

なんかイラついている。


「お前たちは酒はほどほどにしておけ、明日は速攻で全て済ませるからな。眠れないというなら、稽古をつけてやろうか?」


うわーー団長の機嫌悪い!


俺達は慌てて部屋に戻った。ミキ。。部屋に送ってあげたかったな。


部屋で寝る準備をしていると、凄い勢いで団長が部屋に入って来た。


「ミキの部屋でカトリーヌ様が鳴きっぱなしらしい、アランが部屋を開けたらミキもメイドもいなかったそうだ、カトリーヌ様は裏の出口から動かない。お前行って話を聞いてこい」


俺は部屋を飛び出した。。だってさっきミキはいたじゃないか?あれから戻ってないのか?


外に出るとカトリーヌの声が聞こえる。


「あのヘタレ主人、早くこい。ミキちゃんに何かあったらどうすんのよ」


「カトリーヌ!!!ミキはどこだ!」


「知らないわよ、あんたに話があるって出て行ったのに、大泣きして帰って来て。そうしたら、メイドが騎士団に怪我人がいるから来てくれって迎えに来て、それがもう1時間前よ。いくら何でも遅すぎる!!」


「団長、騎士団に怪我人がいるからとメイドがミキを連れて行ったらしいです、何か知っていますか?」


「そんな報告は受けていない。メイドはどんな奴だった?」


「赤毛のおさげの子、王宮で見たことあるから、王宮のメイドである事は確か」とカトリーヌが言う。俺もその子は見たことがあるな。


俺がそれを団長に伝えると、途端に険しい顔になる。


「そいつはあの側妃姉妹のメイドだった。2人が出て行って、次の配置場所が決まってなかったから、今回の遠征に来てもらったんだ」


「という事はあの2人がミキを連れ去ったという事ですか?」


「あいつらはミキが聖女でない事は知らない。おそらく今回の討伐を妨害しようとしているんだろう」


「何でそんな事を。。。。」


「辺境地の隣の領地はキャサリン妃の実家の公爵領だからな。そこがワイバーンの被害に遭えば良いとか思っているんじゃないか?」


「そんなの嫌がらせレベルを超えてます。それにミキが巻き込まれるなんて。。。」


「いいか、、よく聞け。もうこのワイバーン討伐は一刻の猶予もない。俺達とカトリーヌ様はこのままワイバーンの群れがいる場所に行かなくてはいけない。お前がミキを助けろ」


「え、俺1人ですか?」


「俺たちも人数にそこまでの余裕がないが、お前は土地勘もない。チャールズの息子をつけてやる」


「え!チャールズさんってそんな大きな息子さんがいるんですか?」


「ああ、イアンだ。うちの最年少の」


えーーーーーー似てない!!しかもお父さんとか呼んだ事ないし。


「お前、そのイアカフスで場所はそれで特定できるな?毎晩、俺の家でミキと繋げてたろう。ミキが聖女でないとバレたら何をするかわからない。今イアンを連れてくる」


ミキが。。殺される?

いや、攻撃無効化があるから大丈夫だ。

でも1日1回しか効かない。



俺はミキの顔を思い浮かべて、探せ!!と頭の中で言うと、あの光の糸が見えた。東の方に向かっている。


イアンが馬を連れて来たので、すぐさま飛び乗る。


「あの光についていこう。東に向かっている」と俺がいうと。


イアンは困惑している。


「どの光ですか?その魔石の光は石を持っている同士じゃないと見えないですよ」


「え?団長は俺が毎晩これでミキと繋げているの知ってたぞ」


「あーーあの家、団長がアイラさんを守るために、ものすごい結界が張られてるんです。それに引っかかったんでしょう」


うわーー怖いとこに泊まってたんだな。


「わかった、俺について来てくれ」と馬を走らせる。


光の角度からして、そこまで遠くないはずだ。


2時間ほど馬を走らせると、辺境の街と隣の領の境に来た。


「ここは。。キャサリン妃の生まれた公爵領なのか?」


「いえ、公爵領は西の方なので、こちらは側妃だった姉妹の実家の侯爵領ですね」


そして更に馬を走らせると、ある屋敷で光が止まった。


「これは侯爵の館か?」


「いや。。これは小さすぎるので、別邸ですかね?ここにミキ様はいらっしゃるのですか?」


「ああ。。だけど光の出方が変だな。。何で窓とかではなく。壁から出ているんだ?」


「もしかしたら、館の裏にいるのかも知れませんね」


イアンがそう言った瞬間に、恐ろしい鳴き声が響き渡った。


「え。。。まさか」とイアンがガクガク震えている。


「ワイバーン。。。」


そう言った瞬間に大きな魔獣が屋敷の屋根に舞い降りた。


そして。。その足で何かを掴んでいる。


「ミキ!!!!!」



ジョンさんの扱いは。。ある意味ワイバーンより難しい。

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