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それはみんなが恋焦がれていたアレ

「ミキ様。。あら?昨日はよく眠れませんでした?目の下に隈が」


「ちょっと考え事をしていて」


メイドさんはカーテンを開けてくれたが、日差しが眩しい。


昨日。。直人さんにキスされたんだよね。頬とかではなく、唇に。


つい感触を思い出してしまい。顔が真っ赤になり、ベットに突っ伏してしまう。


「ミキ様、顔が。。熱があるのでしょうか?お医者様をお呼びしましょうか?」


いや。。これはどんな名医でも治せないヤツ。


「だ!!大丈夫です」


「そうですか?明日から遠征ですし、無理はなされないでくださいね」


「ほ。。ほら。私は治癒魔法持っているし、何かあれば治せるから」


「そうですね。私としたら。治癒魔法を使える方は本当に数人しかいないので、失念していました。朝食はいかがなさいますか?」とメイドさんが聞いた時にドアがノックされた。


「ミキ、朝ごはん食べに行こうぜ」と直人さんとカトリーヌちゃんがドアの外に立っていた。


至っていつも通りの直人さんを見て、ほっとすると同時にモヤモヤする。


こんなにドキドキしてるのは私だけか。


メイドさんが直人さんを見て。


「あ、直人様、お食事に行かれますか?先程は寝不足の様だったので、お部屋で食べれる様に食事を用意しようか思っていたのですが」


え?直人さんも寝不足?


よく見ると目が腫れぼったくて、顔がやや赤い。


私はついニヤッとしてしまった。


「何、ニヤけてるんだよ」と言いながら、直人さんは私の手を繋いでくれた。


いつも食事をとっているダイニングホールに行くと、無茶苦茶ご機嫌なイグニアス殿下がいた。


「お、お前たちも来たか。ちょうど良かった。キャサリンが昨日の態度の詫びをしたいと、昼食を共にしたいそうだ。後、ミキに人形の作り方を習いたいと」


「その様子だと、キャサリン様とは仲直りできたんですね」


「ああ、2人でじっくり話し合う事ができた。これで世継ぎ問題も解消されそうだ」


私と直人さんはお茶を吹き出しそうになった。


「朝っぱらから何言ってるんですか。そこまで聞きたくないです」と言ったら、隣から。

「羨ましい。。。」とボソッと聞こえた。


私が直人さんの顔を見ると。


直人さんの顔が真っ赤になり、


「あれ、口から出てた。つい。。。訂正しないぞ!俺も健全な若者だからな」

とぶつぶつ言っている。


もうその後は、ご機嫌なイグニアス殿下の惚気話もほぼ聞き流し、何を食べたのかもよく覚えていない。


昼食は天気がいいので外でとなった。バラ園に行くと、大きなテーブルの上に所狭しとご馳走が並べられている。


「今日はピクニックスタイルにしてみた」と殿下が言うが、私の知っているピクニックに比べると100倍豪華だ。


「ミキ様、直人様。昨日は私の勘違いから不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした、明日から遠征が始まり、ゆっくりとお食事をとることも難しくなると思いますので、ごゆっくりお楽しみください」とキャサリン様が挨拶をしてくれた。


本当に目が覚める様な美人だ。


どの料理もすごく美味しい。どうせなら、いろんな種類を食べてみようと、テーブルの端から端までチェックする。


1番奥の方に。。デザートが置いてあった。

ケーキ、ゼリー、タルト。。うわーー目移りしちゃう。真ん中に見慣れないものがある。


これってデザート??つい私が手を出す。

一口食べて。


「あ、ミキ。もうデザートか?え?おい!お前、なんで泣いてるんだ?」

直人さんがむっちゃ焦ってる。


私は持っていたスプーンでそれをすくって、直人さんに食べさせる。


「甘い。。。米?」


「お口に合いませんでしたか?それはこれから皆様が行かれる辺境地で育てられている穀物を使ったデザートです。ライライといいます。私の実家の領地が辺境地に隣接しているので、たまに食べていたのですが」


「「キャサリン様!!これを作ったシェフに会いたいです」」


つい直人さんとハモってしまった。


私達の気迫が凄かったのか、すぐにシェフを呼んでくれて、そのライライも持って来てもらった。


「間違いなこれは。。、このライライはどれぐらいここにありますか?」と直人さんが尋ねる。


「今はこの一袋だけですね。あまりポピュラーな食材ではないので、王都にもたまにしか入って来ません」


「これを頂く事はできますか?」と私が聞くと。シェフさんは快く袋ごと渡してくれた。


「直人さん!アイラさんの所に行きましょう!!キャサリン様、私たちは少し出かけますが、お茶の時間には戻るのでその時人形を一緒に作りましょう。本当にありがとうございます」


私達は挨拶もそこそこに馬車に乗り、アイラさんの家に向かった。


アイラさんの家に着くと、家の前でジョンさんとチャールズさんが何か騒いでる。


「ど。。どうしたんですか?」


「あ、ミキ様、直人。。団長を説得してください」


「アイラが病気だ。俺は遠征には行かん。今から医者を!!」というジョンさんに雅代さんは呆れた顔をしている。


「もう赤ちゃん達が大きくなって来て、胃が圧迫されて食欲がないと言っただけです。双子な上に、もう臨月が近いからしょうがないです。もう少ししたら、赤ちゃん達が下に下がるから食べれるようになります」


「食欲がないのは一大事だろう。肉すら食べられないとは」


「食欲がない時にそんなコッテリした物は食べられません。今スープを作ってますから」


「ミキ!良いところに来た。アイラに治癒魔法をかけてやってくれ!」


胃に優しいもの。


「治癒魔法より良いものがあります!」


私は雅代さんに袋を差し出す。


雅代さんは袋を開けて中を見てから私の顔を見て、台所にすぐに戻っていった。


30分後。。。


「美味しい!!これよこれ!!!この国のご飯は脂っこいのばかりで」


アイラさんが半泣きでお粥を食べている。


ジョンさんが唖然とした顔でアイラさんがバクバクお粥を食べるのを見ている。


「ミキ、なんだあのどろっとしたものは」


「お粥ですよ。米を柔らかく煮たもので、病気とか胃が弱っている時に食べるんです。赤ちゃんの離乳食にも使うんですよ。アイラさんもだと思いますが、ずっと探していたんですよ米を。私達の主食ですから、まさか辺境地にあるとは」


「これがアイラは言っていた米なのか。今。辺境にあるって言ったのか?これから俺たちが遠征に行くとこか?」


「ええ、キャサリン様が辺境でよく食べられてるからと用意してくれたんです。デザートとしてでしたので、シェフに頼んで料理する前の物をもらって来たんです。王都にはほとんど入って来ないらしいですよ」


ジョンさんはお粥を平らげたアイラさんを抱きしめて。


「食欲が戻って良かった。アイラ、俺はこの米をアイテムボックスに入り切らないぐらい、持って帰ってくるからな。チャールズ、アイテムボックスをありったけ手に入れてこい!」


「無理ですよー」と言いつつ、チャールズさんは家から出ていった。


「入り切らないぐらいって、何トンの米持って帰る気よ。でも良かった。。米がこの世界にあって本当に良かった」アイラさんは半泣きだ。


「これはアイラさんと雅代さんで食べてくださいね。遠征に行く楽しみができちゃったな。あ、雅代さん。お米って炊飯器がない場合どうしたらいいんですか?」


私は雅代さんに詳しく炊き方を教わった。帰りに蓋付きの鍋を買っていかなきゃ。


「直人さん、向こうでおにぎり食べましょうね」


「そうだな、それを楽しみに遠征を頑張ろう」



やっと米が見つかりました。やっぱり米がないとね。

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