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色々勘違いする人達

(直人視点)


カトリーヌと俺はミキの部屋から帰ってきた。


ドアを閉めて。。その場に崩れ落ちる。


「俺。。かっこ悪い」


カトリーヌがため息をつきながら、


「1週間の騎士トレーニングで少しは男らしくなって帰ってきたのかと思ったら、何あの嫉妬丸出しの。もう少し余裕ある態度できなかったの?」


「だって、毛糸屋さんでイグニアス殿下の色の人形キット買ったり、アランさんと仲良く話していたり、いないうちにあの2人との関係が近づいたのかと思ったんだよ」


「毎晩、寝る前に光の糸を繋げてたでしょ、ミキちゃんは。大体、ご主人様が騎士トレーニングでミキちゃんをここにひとりぼっちにするって決めたんじゃない」


そう。あのテスト討伐で俺はこの世界にいる意義がわからなくなったんだ。


カトリーヌという聖女のおまけ。


ミキちゃんが大ウサギに潰されそうになった時は勝手に体が動いたけど、きっとジョンさんだったら。怪我もせずにミキを救えたに違いない。もしミキが怪我をしていたら、治癒魔法のない俺は何も出来ない。


1週間付け焼き刃トレーニングなので、なんとか剣が使える様になって、馬に乗れる様になっただけだけど、俺だって本当の護衛騎士になってミキを守りたい。


しかし、ジョンさん。。いや、ジョン団長は鬼だったな。


笑顔でどんどんトレーニングを追加していく。


初日なんかベットに潜り込む力すらなく、半分床で寝ていた。でも疲れて部屋に戻った時に、ミキが繋いでくれた光の糸を見るたびに元気が出て、早く会いたかった。


5日目にはなんとかジョンさんと打ち合いするレベルにはなった。勿論、5分も持たないが。


最終日はジョンさんが遠征前にアイラさんとの時間がないって、アイラさんの護衛みたいな感じで街にきたが、まさかあそこでミキに会うとはな。


しかも、アランさんと一緒にいるし。イグニアス殿下の事は興味ないみたいだから、ちょっと安心してたのに。ミキはアランさんと仲良いしな。カトリーヌはアランさんがミキの事好きみたいな事言ってたし。


「ちょっと、何ぼーーっとしているの。こっちにきなさい」


なんだか、最近カトリーヌがオカンになって来たな。


ベットの方に連れてこられて、何かを渡される。


こ。。これ。


「ミキちゃんが作った人形よ。中に魔石も入っているのよ。初めはあの子はご主人様の人形を渡そうとしてたけど、ミキちゃん人形をご主人様に渡すようにさせたわ」


な。。。なに


「ていう事は、ミキは俺の人形を持っているのか?」


「そうよ。さっきの机の上にあったでしょ」


みーーてーーなーーーいーーー


「じゃあ、ミキが買っていた。イグニアス殿下の人形キットはなんなんだ?」


「あ、あれはイグニアス殿下がキャサリン様に人形を作って欲しいって、キャサリン様と同じ色味で買って来て欲しいってミキちゃんに頼んだのよ」


もうダメだ。。俺はミキちゃん人形を握り締めて、ベットの上でゴロゴロ転がった。

しかし勢い余って、ベットから落ちる。


「うわ!!痛。。。くない。なんで俺浮いてるんだ?」


「ミキちゃんが言ってたわよ、中には反重力の魔石が入ってるから、少しの高さならゆっくり落ちるから怪我しないんですって。人形は肌身離さず持ってなさいよ」


俺はそっと立ち上がる。


すごいな、俺が渡した魔石は執着心の塊みたいなもんなんのに、ミキはちゃんと前回の討伐での問題点をカバーする様なのを見つけてくれてる。


「あと。。。あなたなんか臭いわよ。夕ご飯前にシャワーちゃんと浴びなさいよ」


え!!!


急いで匂いを嗅ぐが。。わからん。


「風呂入ってくる!」俺は慌ててバスルームに飛び込んだ。


さっぱりして、着替えをしたら。もう夕食の時間だ。


今日はミキと俺の部屋を繋げているバルコニーで夕食が食べれるようにメイドさんにお願いした。俺が街で買って来たケーキは食後に出してもらう。


俺はバルコニーからミキの部屋のドアをノックする。


ミキは黄緑のシンプルなワンピースを着ていた。むっちゃ可愛い。


「えーー今日はここで夕ご飯ですか?素敵ですね」


「ミキと食事をするの久しぶりだしね。ジョンさんのとこも雅代さんのご飯が食べられて良かったけど、ジョンさんがアイラさんを構いすぎて、目のやり場が。。」


「えーー雅代さんのご飯、私も食べたい。やっぱり日本食なの?」


「ああ、色々アレンジしてたけど。でも米がないって嘆いてた」


「そうですよね。。お米食べたいですよね。この世界にないんですかね?」


食事が終わると俺がさっき街で買ったケーキをメイドさんがプレートに乗せて持って来てくれた。


「わーー、あそこのケーキ。直人さんは私の誕生日を知ってたんですか?」


「え?」


「あれ?偶然?だったらすごく嬉しい。今日で私は18歳でなんです」


「え?今日?なんで言ってくれなかったの?だったらプレゼントも用意できたのに」


「ケーキ買って来てくれたし、ブレスレットも貰ったし、直人さんが帰って来てくれたし。これ以上のプレゼントはないですよ」


いちごのショートケーキを幸せそうに食べているミキ。


。。。。あーーもうダメだ。完全にやられた。


18歳か。。今だともう成人か。


「ミキ、食後の散歩に行かないか?」


「いいですね、食べすぎちゃったし、腹ごなししたいです」


カトリーヌはチラッと俺らを見たが、くる気はない様だ。


俺とミキは庭のバラ園に向かっていく。


すると。。。あれ?誰かいる?


あれはイグニアス殿下とあの金髪の女性は。。


「あ、キャサリン様だ」


あの人がそうなんだ。すごい美人だ。


でもなんか。。キャサリン様は泣きそうな顔をしている。そしてイグニアス殿下がむっちゃ焦っている。


「。。違う所に行こうか」とミキの手を取ろうとすると。


「ほら!!やっぱり。あなたはミキ様とここで会うつもりだったんでしょ」


「え?ミキはここにいない。。。。あれ?ミキと直人?何してるの?」


「あなたはミキ様のことを呼び捨てにする程仲がいいの?」とキャサリン様はさらに怒ってる。


「さ。。散歩に来たんですが。お取り込み中ぽいので、失礼します」と立ち去ろうとすると。


「私見たのよ。あなたがミキ様とキスしているの」とキャサリン様が叫ぶ。


「え?何の事だ?」

「キス?私が?誰と??」


ミキがイグニアス殿下とキス?


「してたじゃない、今日のお茶の時間にバルコニーで!もう私は限界。そんなに聖女様が良ければ、私と離婚すればいいじゃないの。公務に支障が出るなら、それだけするから」とキャサリン様はポロポロ泣いている。


「あの。。。私、キスもしてないし、殿下の事カケラも好きじゃないので大丈夫です」とミキはズバッという。


「ミキ。。それは流石にちょっと傷つく」

とイグニアス殿下が困った顔をしている。


「だって、バルコニーで見つめあって顔を近づけてたじゃない」とキャサリン様が言うと。


「あーーー、殿下がキャサリン様の人形を欲しいって言ったので、材料を買うために目の色を確かめてたかったんです。同じ色って伺ったので。殿下はそのあとキャサリン様とお茶がしたいって、キャサリン様を探しに行かれてましたよ」とミキが言うと。


「キャサリンの方がもっと綺麗な青って私は言ったんだがな」こっそり殿下が惚気てる。


「え。。本当に私に私の人形を作って欲しいの?」ちょっと泣き止んだキャサリン様にミキがハンカチを渡している。


「当たり前だ、私はキャサリンの人形しか欲しくない」


「殿下。。。」


なんか、雰囲気が甘くなって来た。ここにはいられない。


そう思ったら、イグニアス殿下がキャサリン様を抱えて、「では君達も良い夜を」と言って、去っていった。


なんなんだあれ。


「よくわからないけど、あの2人は大丈夫そうですね」とミキがニコニコしてる。


「ミキ。。。そんなキスしている様に見えるほど、殿下に顔を近づけたの?」


「え?そんな近くないです。ちょっと屈んでください。これぐらいです」俺がかがむとミキの顔が目の前にある。


結構近いぞ。なんかちょっとイラッとした。


俺はミキの唇にキスをした。


「キスをするには十分な距離だよ」



ヘタレ直人さんやっとです。

カトリーヌちゃんも一安心。

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