第68話 「雷嵐の牙――《忘逆の魔影》と無銘の牙、そして一の牙の降臨」
おはようございます!
さあさあ、【影葬の追跡】も残り5分を切りましたッ!
エンジン全開で戦いに挑んでいる【無銘の牙」たち!!
彼らの戦いもついに終盤戦へと向かっています!
「影葬の追跡」開始そうそうお互いで高度な知能戦が繰り広げられております!
二の牙の挑発に乗らず、【無銘の牙】の面々はやつを出し抜くことができるのか!!!
彼らがどこまで「一の牙」&「二の牙」に己の牙を突き立てることができるのか!!!
こうご期待ください!!!
また、頭の中でイメージしながら読み進めると物語とシンクロして面白いですよ(^^♪
最弱と呼ばれた従魔たちがどこまで進化するのか――
牙の刻が、これからも続いていきます!
荒野は砂塵と雷鳴に包まれ、地面は踏みつけられるたびに微細な亀裂を走らせていた。
黒雷の奔流が荒れ狂い、空気を裂くたび、無銘の牙たちは体を揺らされながらも互いの存在を確かめ合い、呼吸を整えて攻撃を止めなかった。
二の牙――《忘逆の魔影》。
その巨体は漆黒の雷を纏い、怒りと孤独の塊となった存在である。瞳に映るのは冷徹な暗黒だけでなく、これまで閉ざされていた感情の奔流そのものだった。
「――くっ……私は……もう負けられない……! 誰にも……!」
嗚咽に似た声が砂塵と轟音の渦に呑まれながらも、荒野に響き渡る。
怒り、孤独、恐怖、悔恨――そして、これまで感じたことのなかった“共感”の念が全身を駆け巡る。黒雷がその身を裂き、地面は裂け、空気そのものが歪む。
無銘の牙たちは、その奔流に恐怖を覚えつつも、決して後退しない。
「牙は一人じゃない……!」
「仲間を信じる、それが力だ!」
◆ ◆ ◆
黒雷を纏った二の牙は、巨大な蹄を振り上げ、尾を旋回させ、圧倒的な攻撃の奔流を巻き起こす。
しかし、その内心は激しく揺れていた。孤独と怒りは仲間たちの絆の光に刺され、初めて自分の中の感情が意識される。
「――くそッ!!……私が、守ろうとしたものは……」
瞳に、かつて信じた仲間への裏切りの幻影が揺らぎ、胸の奥で新たな感情が芽生える――
「……だが……私とて……あの方の双牙!!二の牙なり!……もう負けられんのだッ……!」
冷徹な仮面が砕け、怒りは制御不能の奔流となり全身を駆け巡る。黒雷は荒れ狂い、荒野に衝撃波を走らせる。砂塵が高く舞い上がり、雷鳴と混ざり合い、空気は振動する。
「――ウオオオオオオオオオオオッ!!」
砂塵を裂き、雷鳴を震わせるような咆哮が荒野全体を支配した。空気が振動し、二の牙も無銘の牙たちもその存在感に凍り付く。地平線の彼方から、白銀の巨狼が雷光に包まれながら突如姿を現す。
だが、その背後、二の牙の隣にボワンと黒い影が漂い、その闇の中から金色の獣の瞳がギラリと光った。漆黒の闇に光る瞳は、狂気とも愉悦ともつかぬ光を宿していた。
「おいおい、追い詰められているじゃないか、二の牙とあろうお方が。ええ? この我が手を貸してやろうか?? えぇ~~??」
黒い影から響く声は、心底愉快そうで、荒野に響き渡る。二の牙はその声に怒りを爆発させ、雷鳴を割るように叫ぶ。
「黙れ! 貴様の力など借りぬわッ!! 引っ込んでろ!!」
無銘の牙たちは、二の牙と一の牙の呼吸がぴったり噛み合ったこの異様なやり取りに、瞬間的に戦場全体の緊張が増すのを感じた。
白銀の毛並みが雷光に煌めき、全身から白雷を放つヴァルグは、荒野を静かに踏みしめ、嘲るような瞳で【二の牙】を見据えつつ、狩人の目で【無銘の牙】たちを見据える。
「まあまあ、そう言いなさんな――忘逆よ。……このままでは、貴様本当に負けるぞ?感情そのままに暴れて無策でこのまま時間切れで
貴様の負けだ。それでもいいのであれば、我はこのまま傍観者でいようとも。ええ、どうする??」
「クッ!?グギギギギギギッ!!!」
声は低く、冷たく、それでいて雷鳴に負けない力強さを帯びていた。
「もう、お前の独りよがりの戦いは終わりだ――ここからは、あのお方の双牙としての我らの実力を彼ら無銘の牙たち見せつけるだけ。これまで、下に見ていた言動を悔い改め、全力で彼らと相対するのみよッ!違うか!?二の牙!」
黒雷を纏った二の牙は白銀の巨獣を睨むが、心は制御不能の怒りに揺れていた。だが、一の牙の言葉で幾ばくかの冷静さを取り戻した二の牙。
「……ふん、一理あるか。……いいだろう貴様の提案に乗ってやる……」
低く荒々しい吐息が雷鳴に重なり、荒野全体に振動を走らせる。
「そういうことだ。無銘の牙らよ、ここからは我も参戦させてもらおう。
影の軍勢はもう不要。ここで引っ込める。
ここからは、我ら一の牙&二の牙、双牙が貴殿らと相対そうぞッ!!
最後の最後まで全力でかかってきたまえッ!!!クカカカ♬」
荒野の砂塵が雷光に照らされ舞い、無銘の牙たちは全身に緊張を張り巡らせながらも攻撃と防御を続ける。
プルリは盾を膨張させ、黒雷を弾き返す。
ミミは短剣を光らせ、雷光を斬り裂く。
ルルカは跳躍と剣閃で敵の側面を突く。
ナナシは全力で叫ぶ。
「フン。最初から予測済みだ。必ず、最後は、お前も参戦するってな。みんなとテレパスで会話してたさ。だから、こいよ?全力で!!お前らの全力を俺らの牙が打ち砕いてやるよッ!!牙は一人じゃない。 連携で止める!」
二の牙は咆哮し、黒雷を迸らせる。しかしその内心は、仲間を信じる力と、
逃げ切る決意――そしてヴァルグの存在によって激しく揺れていた。
「……相手にとって不足なし!……白銀……忘却!お前らを退けて俺らはさらに強くなるッ!やるぞ、無銘の牙ッ!己の牙を研ぎ澄ませ!!!」
「「「ガァァァァァァァウゥゥゥゥゥゥッ!!!」」」
無銘の牙たちは力強く吠え、闘志を燃やしていた。
◆ ◆ ◆
雷鳴に声は掻き消されるが、怒りは荒野に炸裂し、戦場の緊迫感をさらに増幅させた。
荒野全体を震わせる黒雷と白雷の奔流――砂塵、雷鳴、衝撃波、牙たちの叫びが交錯する。
戦いの大詰め、感情と力の奔流が交錯する瞬間――読者はその場に立ち会っているかのような臨場感を覚える。
――続く――
ここまでお読みいただきありがとうございます!
さらに加速する“牙の伝説”をどうぞお楽しみに!
次話の投稿は、本日夕方17時10分の予定です!('ω')ノ
引き続き『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』
略して『ナナクラ』をよろしくお願いいたします(^^)/




