第51話 「《影葬の追跡》──猶予の終焉、三分目」
お疲れ様です!
さあ、いよいよ三分経過します!
ヴァルグが提示した刻限です!
いよいよ本当の試練の始まりです!!
「影葬の追跡」開始そうそうお互いで高度な知能戦が繰り広げられております!
二の牙の挑発に乗らず、【無銘の牙】の面々はやつを出し抜くことができるのか!!!
彼らがどこまで「一の牙」&「二の牙」に己の牙を突き立てることができるのか!!!
こうご期待ください!!!
また、頭の中でイメージしながら読み進めると物語とシンクロして面白いですよ(^^♪
最弱と呼ばれた従魔たちがどこまで進化するのか――
牙の刻が、これからも続いていきます!
赤黒い月はなおも空を支配していた。
その歪んだ光は、地に散らばる亀裂を白骨のように照らし、影の瘴気をさらに濃く染め上げる。
空間そのものが重く、呼吸すらも鉛のような圧迫を与えてくる。
――二分が過ぎ、ついに「三分目」に差しかかろうとしていた。
岩壁の向こうから、不意に轟く咆哮があった。
それは狼の声でも、風の震えでもない。
空そのものが嗤ったかのような、圧倒的な音の奔流。
「カハハハハァ! 無銘の牙よ!!」
大地を揺らすほどの声が響き渡る。
結界の天頂、赤月を背に、ヴァルグ・ゼオグレインの幻影が見下ろしていた。
「約束の刻限は近いぞ!!」
「我が影狼どもが放たれるまで……存分に足掻け! 策を弄し、罠を張り、突破して見せよ!」
その口角は三日月のように歪み、牙が覗く。
「クカカカカッ……!」
笑い声は瘴気を共鳴させ、空間をさらにきしませた。
ナナシは舌打ちを飲み込み、視線を仲間へと巡らせる。
プルリ、ミミ、ルルカ――それぞれが息を潜めつつ、しかし燃えるような眼差しで返してきた。
*******
ミミの額から青白い稲光がほとばしる。
微弱な電磁の糸が三人を繋ぎ、その思考を直に響かせた。
――(ナナシ)……三分経過。来るぞ、影狼。
――(ルルカ)群れかな?……個体ごとに仕留めるのは現実的じゃない。
どう動く?
――(プルリ)うん、しかも“影に触れたら転送”ってルールがある。倒して見せろって言ってたけど、何かきっかけを見つけなきゃダメかも!倒すより避ける方が安全かもよ?
ナナシは短く息を吐き、電気回廊で応える。
――だな。影そのものを避けながら二の牙を探す……が理想だな。
――ただし完全に逃げ腰じゃ、二の牙の痕跡を拾えない。
ミミが緊張した眉で声を挟む。
――つまり、“逃げ”と“探し”を同時にこなせってこと?
――相手は一の牙ヴァルグの眷属だよ? 下手すれば一撃で……
ルルカが喉奥で唸る。
――だが挑むしかない。“影に囚われない立ち回り”が鍵になる。
ナナシは右手を上げ、指を二度鳴らした。
すぐに、スライムのプルリが体をぷるりと震わせ、応答のサインを返す。
ルルカは尾で地面を叩き、低く「ドッ」と音を鳴らす。
ミミは片耳をぴんと立て、稲光のように素早く瞬かせる。
――それだけで全員に伝わった。
ナナシは再び電気回廊を通じ、言葉を放つ。
――作戦は三段階だ。
①影狼出現の初動をかわし、位置を把握。
②痕跡の撒き方に法則があるはずだ、二の牙の“本当の隠れ場”を割り出す。
③必要なら狼を撃破しつつ、奴の正体を暴く。
プルリが柔らかく揺れながらも決意を示す。
――分かった! 私、痕跡の「溜まり」を探すよ!
ミミが鋭く鼻を鳴らす。
――電気回廊で乱れの中心を突き止める!
ルルカが尾を打ち鳴らす。
――俺は群れの進路を抑える。地形を利用して迎撃だ。
ナナシは口元を歪めた。
――よし。行くぞ……!
*******
赤黒い月が震えた。
影の瘴気が急激に濃度を増し、霧のように漂う空気を押し潰してくる。
まるで時を刻む鼓動のように、大地が「ドクン、ドクン」と震え始めた。
結界全体に、獣の息吹のような低音が広がる。
それは群れが動き出す前兆――影狼の顕現の合図。
ヴァルグの声が最後にもう一度、天から降り注いだ。
「カハハハ! 時は満ちたぞ……!!」
「我が眷属を恐れずに狩り抜け! 逃げ切れるものなら逃げ切ってみせよッ!!」
地の底から、無数の爪が岩をひっかく音が響いた。
背筋を裂くような咆哮が、次の瞬間、結界空間を切り裂いた。
――三分目。
いよいよ《影葬の追跡》の本当の地獄が始まろうとしていた。
――続く――
ここまでお読みいただきありがとうございます!
さらに加速する“牙の伝説”をどうぞお楽しみに!
次話の投稿は、明日朝6時30分の予定です!('ω')ノ
え!?明日が何で早いかって?
それは、明日が日曜日だからさ!(*'▽')('ω')($・・)/~~~
明日は連チャン投稿もあるかもしれませぬ!
無理なく投稿する予定ですん♪
引き続き『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』
略して『ナナクラ』をよろしくお願いいたします(^^)/




