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『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』  作者: 焼豚の神!
第2章:『雷牙の狩場 ―覇雷獅王との邂逅―』
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第49話 「《影葬の追跡》一分経過の空気から二分目へ」

お疲れ様です!


さあ、物語のボルテージがどんどん上がってきましたよ!!


「影葬の追跡シャドウ・レクイエム」開始そうそうお互いで高度な知能戦が繰り広げられております!


二の牙の挑発に乗らず、【無銘の牙】の面々はやつを出し抜くことができるのか!!!


彼らがどこまで「一の牙」&「二の牙」に己の牙を突き立てることができるのか!!!


こうご期待ください!!!


また、頭の中でイメージしながら読み進めると物語とシンクロして面白いですよ(^^♪


最弱と呼ばれた従魔たちがどこまで進化するのか――


牙の刻が、これからも続いていきます!

 赤黒い月の下、ひび割れた結界空間は、まだひときわ重苦しい静寂をまとっていた。

 ルール説明が終わり、ヴァルグの宣言とともに遊戯が幕を開け、二の牙は「お先に失礼する」と薄笑いを残して影に消えた。

 そして今、三分間の猶予のうち一分が経過しようとしている。






*******





 足場となる岩肌は、今なお「生き物」のようにうねり、ひび割れた裂け目からは冷気が立ちのぼっていた。


 その冷気は人の視界を曇らせ、幻影と現実を判別しにくくしている。

 ナナシたちは散開しつつも、互いの気配を「電気回廊パス」とハンドサインで結び合い、常に位置と状況を共有していた。


「……動きはないな」

 裂け目の影を探るルルカが、長い尾を揺らして低く呟く。


「むしろ、あからさまに静か過ぎるね。二の牙のやつ……わざと気配を断って、こちらを焦らせてるのかも。」


 ミミが犬耳を震わせながら、冷たい声を漏らす。握った爪先には、微かな電流が走っていた。


 プルリは半透明の体をぷるぷると震わせながら、岩の窪みに張りついて気配を殺していた。


 彼女の身体は瘴気を吸い取り、そのわずかな揺らぎを「違和感」として感じ取っていた。


 ミミは閉じた瞳の奥で、淡い電流を額から放ち続ける。

 彼女の《電気回廊パス》は、言葉を使わず思考をつなぐための「無音の通信網」として機能していた。




 そこに、ナナシの声が皆の頭に響く。


 ――フム……やはり、奴は「姿を消す」だけでなく、感覚までも狂わせている。

 ――だが、この静けさ自体が逆にヒントになる。普通なら、せめて微かな痕跡を残すはずだ。

 ――つまり……二の牙は、この場にいながら「空間そのものに紛れている」と見るべきだな。


 無銘の牙の面々は、無言で頷き合う。

 指先や尾が小刻みに動き、ハンドサインで「次の探索行動」を決めていった。






*******





 その時だった。

 空気が一瞬、粘性を帯びたように重くなる。

 耳鳴りのような残響がどこからともなく届き、結界そのものが囁くかのような声が響いた。


「ククク……良いぞ、良いぞ。実に連携が取れている。

 愚か者どもが単純に突っ込んでくると思ったが……予想を裏切られるのは嫌いじゃない」


 ――二の牙だ。


 だがその声は、右からも、左からも、頭上からも、同時に聞こえる。

 空気の振動そのものを利用した「幻声げんせい」の術。

 方向感覚を狂わせ、居場所を掴ませない。


「声で煽ってきたか……」

 ナナシは短く息を吐く。


「ククク……その眉間の皺がたまらんな、小僧(わっぱ)。必死に頭を回している顔は、なかなか美味だ」


「だが、まだ浅い。お前たち《無銘の牙》が名を馳せるのは、ほんの偶然にすぎぬのではないか?」


 挑発するような声音に、ルルカが鋭く牙を覗かせて低く唸る。

「偶然なんかじゃない!……私たちは牙を持ってる!!」


 だがミミが尾を振り、ルルカを制した。

「乗っちゃだめ!あいつの狙いはそこだよ。」


 ナナシも笑って言い放つ。

「さっきも言っただろ。気をつけろって。 俺らを舐めてると痛い目見るぞってな!」


 瞬間、わずかに二の牙の声が低くなる。

「……フフ。減らず口だけは達者だ。だが、その気概……嫌いではないぞ」


 その声音には、嘲弄だけでなく、微かな「興味」と「評価」が混じっていた。





 仲間たちは互いにサインを交わし、次の行動に移る。


 プルリは小柄なスライムの体で瓦礫の隙間に潜り込み、地面に残る影の揺らぎを調べる。

 ミミは感覚を研ぎ澄まし、電流を走らせて周囲の磁場の異常を検知する。

 ルルカは長い尾を地に叩きつけ、振動を通して足跡や空間の歪みを感じ取ろうとする。


 それぞれの探知は、ほんの僅かずつだが「不自然な乱れ」を指し示していた。


 ――(ナナシ)なるほど……バラけた痕跡が、かえって「中心点」を浮かび上がらせる。

 ――(ナナシ)つまり、二の牙は自らを「無」に見せかけるために、意図的に小さな矛盾を散らしているのか。


 脳裏に浮かんだその推測を、ナナシは電気回廊パスで仲間たちに伝える。

 返ってきた反応は一様に同意の意。


 その時、再び二の牙の声が降ってきた。


「ククク……良い、実に良いぞ。《無銘の牙》よ。

 お前たち、やはり名ばかりではないらしいな。

 少しは、退屈を忘れさせてくれるかもしれん」


 その声音には、先ほどよりも確かな「評価」の色が濃く混じっていた。





*******





 赤黒い月が空に沈黙を落とす。

 空気はますます重く、影は濃くなる。

 猶予の三分。そのうちの二分目が、静かに流れようとしていた。


 ――だが、ナナシたちは分かっていた。

 残る一分を超えれば、ヴァルグと影狼の群れが「追跡者」として動き出す。

 その前に、二の牙の正体を暴かなければならない。


 裂け目に身を潜めていたプルリが、ぷるぷると震えながら小さな気泡を弾けさせる。

 ミミは青白い電流を走らせ、磁場の乱れを描く。

 ルルカは瞳を狭め、鋭い爪で地面を叩いてリズムを刻む。


 それぞれが、確かに「矛盾の断片」を掴みかけていた。


 ナナシは短く息を吐き、仲間たちへとハンドサインを送る。

 「ここからが本番だ――二の牙を炙り出す!」


 その決意とともに、二分目が始まろうとしていた。




――続く――


ここまでお読みいただきありがとうございます!


さらに加速する“牙の伝説”をどうぞお楽しみに!


次話の投稿は、明日朝6時30分の予定です!('ω')ノ

え!?明日が何で早いかって?


それは、明日が土曜日だからさ!(*'▽')('ω')($・・)/~~~


明日は連チャン投稿もあるかもしれませぬ!

無理なく投稿する予定ですん♪


引き続き『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』

略して『ナナクラ』をよろしくお願いいたします(^^)/

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