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『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』  作者: 焼豚の神!
第2章:『雷牙の狩場 ―覇雷獅王との邂逅―』
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第21話「黎明の牙――目覚めと鍛錬」

お疲れ様です!


いよいよ《獣王子ビーストロード》編の真骨頂が動き出します!


そしてナナシたちがさらに奮闘します!


最弱と呼ばれた従魔たちがどこまで進化するのか――


牙の刻が、これからも続いていきます!

ナナシは夜明け前の薄明かりの中で目を覚ました。

部屋はまだ深い眠りの中にあり、窓から差し込む朝の気配は静かに、しかし確実に世界を包み込もうとしていた。


薄く波打つ布団の中で、スライムのプルリ、コボルトのミミ、リザードのルルカはそれぞれ夢の中。微かな寝息が部屋の空気を揺らしている。


ナナシは静かに息を吐き、ベッドから起き上がった。

まだ眠気が残る体を伸ばしながら、心はすでに戦いの準備を始めていた。





***




独白 — “まだ足りない”


「静かな朝だな……」

ナナシは一人、窓辺に立ち、遠くの森の影を見つめた。


「三日後の試練まで、あと二日半か……」

彼の内心は決して安らかではなかった。


「ヴァルグの牙が牙である限り、安堵は許されぬ。奴の試練は、容赦なく牙を研ぎ澄ませてくる。俺も、それに応えなければならない」


彼は拳を握った。わずかに震える指先に、戦士としての緊張が宿っていた。


「俺はまだ……まだまだ足りない。力も、技も、心も。奴に認められる“牙”になるには、もっと高めねばならん」


ナナシの視線は、自室の片隅に置かれた剣へと向かった。

その刃は、これまでの戦いを刻み込んだ痕跡で輝きを増している。


「戦いのためだけの剣ではなく、仲間のために、未来のために。俺も強くならなければ」





***






■眠る牙たち


部屋の隅で眠る三人の仲間。


プルリは丸くなり、微かに光る体を震わせていた。夢の中でも、何かに怯えているようだった。


ミミは小さな胸を上下させ、額には薄い汗が浮かんでいる。彼女の夢もまた、戦いの記憶に彩られているようだった。


ルルカは口元にわずかな笑みを浮かべ、静かに息を整えている。獣の本能と、仲間への信頼が混じる夢だろうか。


ナナシは彼らに視線を投げながら、そっと呟いた。


「まだ眠っていろ。お前らには、お前らの時がある」






***





■早朝の鍛錬


ナナシは部屋を出て、外の冷気を吸い込んだ。

まだ街は静まり返り、人の気配もまばらだ。彼は背伸びをして、広い空地へと足を運んだ。


木漏れ日がわずかに差し込み、朝露が草を濡らす。静寂の中、彼はまずストレッチから始めた。


「体が硬いと、動きも鈍る。無理は禁物だが、鍛錬は怠れない」


ゆっくりと体をほぐし、深呼吸を繰り返す。冷えた空気が肺を満たし、眠気が消えていくのを感じた。 





次に彼は剣を抜き、空中で幾度も斬り返しの動作を繰り返した。


「フォームは正確に。速さだけじゃない。力とタイミング、そして読み合い」


音もなく刃が風を切る。彼の目は真剣そのものだった。


続けて彼は、足さばきを確認するために周囲を小走りに駆け抜けた。


「俺は動きが鈍い。もっと俊敏にならなければ、奴らには到底追いつけん」


一度地面に膝をつき、息を整えた。


「でも、まだ……」


声にならぬ決意が彼の口元に浮かぶ。






彼は剣を地に立て、握りしめた。


「この剣は……仲間の声だ。お前たちがいるから、俺はここにいる」


過去の痛み、敗北、喜び――そのすべてが彼の胸に蘇った。


「諦めるな……倒れるな……守れ……」


小さくつぶやき、彼は再び振りかぶった。


「三日後、俺は必ず強くなっている。そうでなければ、牙として生きる価値はない」



ナナシは振り返り、まだ寝息を立てる仲間たちを見た。


「お前たちは、安心して眠っていろ。俺が必ず、守る」


その言葉は、誰にも届かない夜明けの闇に溶けていった。


「この静かな朝が、最後の平穏だと思うなよ」


そして彼は再び剣を構え、朝の光の中で一人、剣舞を始めた。



――続く――



ここまでお読みいただきありがとうございます!


さらに加速する“牙の伝説”をどうぞお楽しみに!


引き続き『ナナシの豪腕とモンスター三姉妹 ―最弱から始まる最強クラン伝説―』

略して『ナナクラ』をよろしくお願いいたします(^^)/

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