天宇と慈雨の
夏の夜は短く
夜に咲く花の命もまた短く
熱に酔うように
月下に開き揺れる
刃先に触れた指
瑠璃の水面に散る蓮の花
睡蓮が夕日に照らされるように
銀盆の淵に横たわり眠る
天高く月が昇るまで
流れゆく白糸は
月明かりを隠しながら
菊の花を夜空に散らす
西に沈みゆく数多の星は
芥子の実のようにくすみ輝いて
乱雑に夜空を駆け
白みゆく空の果てに消える
真円は未だ還らず
六芒の星が加護の目のように
田畑に金色の波を描いて揺れて
平穏な朝の訪れを
望むように碧の朱を待つ
請うは深淵
炉にくべた火が
燃え尽きるように
星の白は灰にくすみ
睡蓮の花はその身を閉じて
手に触れていた温もりは
風紋のように形を変える
朱の明星
末日の白瀬
残らぬ刻と残された吐息
絡みついた糸は赤く
薬をつける指は惑い
山間に落ちた月を見送り
待ちわびぬ朝に枕を濡らす
夏の夜の恋の歌です。
夜に忍んで訪れる愛しい人を待つけれど
夏の夜はあまりにも短くて
朝の日を待つ芒たちとは対照的に
少しでも夜が長く続くようにと願ってはみるけれど
刻は待ってくれるはずもなく
その指に絡んでいた温もりも
風のように消えてしまう
そんな歌です。
睡蓮の花言葉は純粋、信頼
そんなイメージが伝われば嬉しいです。
また、本作は「言葉あそび」シリーズです。
タイトル、本文、
それぞれ、ある規則に基づいて書いています。
比較的わかりやすかったのでは、と思ってますが、どうでしょうか。
本文は、頭文字に
タイトルは、本文から連想されるもの、
をヒントに読んでいただけるといいかと思います。