表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/25

10

「ちなみに、お前が良い気配って言ったの、警備兵じゃなくて騎士団長とゆかいな仲間たち。」


「………。」


ファウステルの言葉にアイリスは何も言わない。


「で、なにもしてない?」


ファウステルは要点だけを聞く。


「………助けたあとちょっと話をしただけ。………敬語は使ってません。口調もあの時のままだったから、わたしが公爵令嬢だとは気付かれることはありません。たぶん。」


兄からの圧に思わず敬語になる。

結婚してほしいとか言われたとか、考えてあげるとか言ったとか、言わないほうがいいと思って黙っておいた。それにしても無知って怖い。不敬で殺されるとこだった。兄がすぐに迎えに来たのがよくわかった。

バレる事なく退散することが今できる最善だ。

あとは会話までしてしまった王太子に正体がバレないことだけ。


「はあ。とりあえず王太子は今後避けれるだけ避けるぞ。」


また悩みがひとつ増えたファウステルだった。

アイリスは少し考える。


「とりあえず、私寝たふりをしておきますわ。」


ドレスに着替え、公爵令嬢に戻ったアイリスは口調を元に戻す。


「馬車の中で疲れて眠ってしまって事情は何も知らない。という事にしておきましょう。誘拐されたのが王太子だなんて、私には知らされることではないでしょうから。」


「そうだね。アイリスは何も知らずにただ馬車の中に居ただけだ。」


「ちょうど疲れたなと思ってましたの。兄さま、膝を貸してくださいませ。」


そう言って兄の横に移動して膝の上に寝転がった。


「お前の兄をしているおかげで、俺はどんどん逞しくなってる気がする。まぁ、あとは任しておけ。よくやった。お疲れ様。」


ファウステルはアイリスの髪をぽんぽんと撫でるとニコリと笑った。


「ふふ。任せましたわ。」


アイリスはニコリと笑うとそのまま目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ