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イクラですが

さて、今日はウシオさんを招いてイクラとウニの贅沢海鮮丼を出す日です。

事前にイクラは下処理済み、卵殻膜からはがすのも、アニサキスがいないか確認するのも魔法があるこの世界ではとても簡単。


あの塩を入れたぬるま湯で一粒一粒潰さないようにはがしていた作業も、アニサキスがいないかと目を凝らして確認していた事も魔法でパパパッと出来ちゃうんだから凄い。


醤油もみりんもお酒も全てヤマト島で仕入れた。

どうも、ヤマト島って前世の日本の食材が揃っていて重宝するんだよね。


で、この国も、私の生まれた国もパン食で、ご飯がなかったが、それもヤマト島で仕入れて来た。

最近のヤマト島は洋食化が進んでおり、お米は神事や行事の時に食べる程度らしく、米蔵には沢山の米が積まれていた。

それもリナさんに話したら二つ返事で購入させて貰えた。

いや~、流石元巫女様ですよ。

ってな訳で、本日この会食の場になった次第です。


本日の会食に招待したのはリナさんとウシオさん、そして、商業ギルドのマスターアンソニーさんとサブマスターのマキシムさん、そして、ドンさん。

実は、ドンさんにはお米の栽培を視野にいれてのご招待だ。

で、スタッフは私とキリさんの二人で行っている。


先ずは、イクラとウニの軍艦巻きから出すことにした。

いきなり海鮮丼を出しては先日のウシオさんの「糞みたいな」の反応に食べては貰えない気がしたのだ。

それに、寿司は日本人の魂だしね。


「先ずは、イクラ、そしてウニの軍艦巻きを1貫ずつお召し上がり下さい」


勿論、5人ともウニの軍艦巻きを見て手が止まっている。

そこで、私とキリさんの出番だ。

「では、先ず私達で手本を見せましょう」

そう言って手前に並べた箸を手にする。

この世界、実は箸の文化も何故かあるんだよね。

躊躇いなく箸を取った私とは対照的にキリさんは躊躇い気味に箸を手にした。

実は、味を確かめる為に私は味見をしていたが、キリさんは味見をしていない。

つまり、初見での味見なのですよ。

「では、いただきます」

そう言って私は先ずウニをパクりと食べた。

「うっ旨い」

そう、この味だよ~。

舌の上でとろけて行くこのまろやな感じ。

幸せそうに食べる私を見てキリさんも箸を取る。

パクり。

一瞬にしてキリさんの目が見開かれた。

「何とクリーミーな、是非レンジ様にも食べて頂きたいです」

うっとりと食べるキリさんを横目に私はイクラをパクりとたべる。

「私って天才かも」

この粒々感、噛んだ瞬間に広がるイクラの旨味。

自画自賛しながら食べる私にキリさんもイクラをパクりと食べる。

「なんと、魚卵がこのような味に」

感動するキリさん。

けど、

「魚卵ではなく、イクラですが」

指摘する私を他所に他の5人もウニとイクラを食べる。

「クソ旨い」

ウシオさんがウニを食べて感動している。

「本当に魚卵?」

またもやイクラを魚卵呼び。

いや、調理したのでそれはイクラですが。


5人の反応は上々、この後に出した贅沢海鮮丼も綺麗に平らげてくれた。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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