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レシピ本でウハウハ

あのジャガイモが食べられると言う件はマルセタの国民を震撼させた。

申請から国の機関の厳選な審査の末、正式に認可をもらったのはそれから一ヶ月とも掛からない時だった。

ギルド長の話では異例な程の速さで、国としてはそれくらい食料問題が浮上していたらしい。

新たな食材の申請は通常は半年位掛かるのだそうだが、戦争が起こってからの食料問題が深刻だった為に国王が認可を急いだらしい。

夏の盛りも過ぎて秋に差し掛かる頃。

丁度ジャガイモの収穫時期になる。

それに、申請して認可が下りる間に、国の機関がジャガイモの生産方法の懸念事項を注意喚起してくれたお陰で、今年のジャガイモは太陽を浴びる事なく出荷される見込みだ。

が、認可が降りる前にジャガイモを商品化して稼いでいた事がバレてしまい、報奨金の半分は国へ罰金として回収されてしまった。

「罰金のみにして刑罰をあたえなかった事に感謝しろ」

と言われてしまったが、納得いくはずもない。

まぁ、不幸中の幸いはカーター商会のエトラとだけ記載されていた事だ。

商業ギルド長、案外仕事の出来る男だ。

もしくは、レンジさんがまた裏で色々してくれたか。

まぁ、詳細はわからないが国王はカーター商会のエトラ、イコール、エトラ・カーターと思い込んでいるのであえて訂正はしていない。

孫のエトラが行商をしていた親から土台を譲り受け、たまたまジャガイモで成功しただけと思っているようだ。

詳しく契約時の魔法紙を出すよう言わなかった事に感謝しかない。



そして、ジャガイモの認可に伴い私はジャガイモのレシピ本を発行。

100万冊の本はアッと言う間に売れてしまい、今重版発行をしている。

この世界の公用語で書かれた本だが、商業ギルドから其々の国の言葉に翻訳した物を出したいとの話があった。

そんなに重版して在庫を抱えるのも嫌なので、その辺りをギルド長に相談すると在庫はギルドで責任を持ち販売するとの話があり、重版に了解した。

印税は販売価格の1割と大きい。

挿絵から解説まで全て私が手掛けた。

カーター商会初のレシピ本である。

実は、この、カーターと言う名は伯爵家の名前で、その名前を付けた時にギルド長は複雑な顔になっていた。

勿論、旦那さんは快く許可してくれたけどね。


そんな訳で、罰金で国王に回収された資金は印税と名を変えてそれ以上の収入をもたらしてくれた。


王都にもフライドポテトは溢れている。


先手を打ってハンナさんの息子夫婦が契約していた大農家達と専属契約を交わしていて良かったと思った瞬間でもあった。


因みにだが、戦争は私の結婚の為にこちらの国へ来ていた兄達が、自国へ帰る途中に不意打ちを喰らわされたのが、そもそもの戦争の発端になっていたらしい。

原因を作ったのが私のような気がして本当に申し訳ないと思う。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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