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本日ウシオさんと再び交渉です

「おはようございます」

朝も早よから私とキリさんは港へ来ています。

因みに、キリさんはレンジさんの所有する家に賓客扱いで泊まっているらしいが、何故か三食共に私の家で摂取している。

まぁ、ただで仕事を手伝って貰っているので食事位は提供しないと申し訳ないと、気付いたらお祖父様とお婆様がキリさんをもてなしていたのだ。

勿論、新作の商品の試食も兼ねているんだけどね。


と、言うことで今朝も早くからキリさんは私の家に出社している訳で、その勤務時間を考えると既に我がカーター商会はブラック企業だと思う。


だってさぁ、朝の6時には来ていて、夕飯食べてから帰るんだよ。

いくら食事をご馳走になっているからと言われても拘束し過ぎな気がするんだよね。

まぁ、私は例の仙人の丸薬のお陰で空腹知らずで、キリさんに試食して貰えるのは有り難い。


今日は昨日メルさんに話していたウニとイクラの交渉のためにウシオさんに会いに来ていた。


「よう、エトラ様。今日はどう言った要件で?」

ウシオさんは丁度水揚げされまばかりの魚や貝の仕訳をしている所だった。

そして、前回も思ったがやはりウニはカゴに入れられず投げ捨てられている。

私は転がったウニを手にウシオさんの所へといく。

「この投げられている食材を購入したくて来ました」

ウシオさんが私の手にある黒い物体をマジマジと見る。

「そいつぁ、何の足しにもならねぇ邪魔者なんだが、本当にそんなの食べれるのか?」

うん。

やっぱりね。

何となく捨てられている時点で食べ物認定されていないのは分かっていた。

「中身を食べるんです」

サッと風の魔術の応用で私はウニを真っ二つに切断する。

中からはあのお馴染みのウニがぎゅうぎゅうに詰まっており、元日本人としては美味しそうとしか思えない。

が、ウシオさんの反応は逆で

「糞みてぇで、本当に食べるのか?」

と聞いて来た。

見た目の問題だ。

確かにそう見えない事もないだろう。

「勿論食べれますよ。これを定期的に購入したいんです。後、鮭の卵もですし、何なら他の魚の卵も」

魚の卵も次代の為に放流する分以外は捨てているようだった。

勿体無い。

イクラにしろ数の子にしろ筋子にしろお高いんだよ。

それを捨てている時点で勿体無い事この上ない。

「んなもん、捨てるヤツだから好きなだけ持っていってくれて良いぜ」

ウシオさんは海の男なだけあり豪快に気前良く言うが

「私は独占契約をするつもりはないのです。今言った食品を調理しますので、それを食べてみて正規の金額を決めましょう。勿論、食品の登録も先にしますので大丈夫です」

ニコリと笑み私はウシオさんを見た。

ジャガイモの時のような失敗は二度としないと心に近いながら。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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