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新店舗の食品は

「まぁ、そんなに怒るなメル。今回の事は私にも落ち度があったんだから」

クロードさんはたしなめるようにメルさんに言うと、メルさんは嬉々とした眼差しでクロードさんを見た。

「クロード様勿論ですとも。分かっております。少々私めも不貞腐れてしまったどけで、決して怒ってなどおりません。はい。決して」 

長いものには巻かれろ精神と言いますか、メルさんは手をすり合わせてクロードさんに詰め寄る。

「わかってくれて嬉しいよ。メル」

クロードさんは軽く口角を上げ微笑んだ。

「滅相もございません。クロード様」

どうやらメルさんはクロードさんの信者のようだ。

「では、早速エトラのに加護を授けてくれ」

クロードさんの鶴の一声で、メルさんは私にほいほいと加護を授けてくれる。

こんなんで良いのか?

と思うが、日本も縦社会にはめっぽう弱かったと記憶している。

偉い人が一声「宜しく頼むよ」と言ってくれただけで対応が変わるのだ。

やはり長いものには巻かれろ精神は最高ですよね。

クロードさんありがとう。

私はメルさんから加護を授けて貰い無事に1日一神のノルマを完遂する事が出来た。


「会社の経営の事や流行の状況など、私に分かる事なら何でも助言しよう。いつでもおいで」

メルさんは最初こそ機嫌が悪かったが、最後にはそう言って私の頭を撫でてくれた。

結構いい人で良かった。

そう思っていると、最後に

「そう言えば、エトラは新しい店舗を購入したようだけど、今度はどのような食事を提供するんだい?」

と、メルさんは興味津々と私に問い掛けてくる。 

「一つはテイクアウト専門のお店です。港のメイン通りで、手に持って食べれるパンにおかずを挟んだ食べ物と飲み物等を売る予定です。もう一軒は港から少し離れた海の見える店舗で、海鮮丼を出そうと思っています」

「海鮮丼?」

メルさんが目をキラキラさせながら問い掛けてくる。

「ご飯の上にお魚を一口大に切った物を乗せたり、ウニやイクラなどを乗せたり」

どちらもウシオさんのお店に行った時に見ている。

調理法さえ分かっていれば美味しく食べれる事を知るだろう。

特にウニ、あれは思いっきり踏まれていただけに勿体ない。

「ウニ?イクラ?」

メルさんの瞳が更に輝きを増し私に詰め寄る。

「あ〜、試作品が出来たら献上しますね」

私の申し出にメルさんは嬉しそうにステップを踏む。

余程嬉しいのだろう。

そんなメルさんを見ているだけで私も嬉しい。

やっぱり食べ物を出す時は、食べてくれる人の笑顔が見たいよね。

そんで、それが私の頑張った糧になる。


「楽しみに待っているよ」

メルさんの期待の眼差しに少々押され気味だが、まぁ、良しとしますか。

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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