目標はAランク冒険者
「ランクアップには特定のクエストをクリアしなくてはいけません。クエストにはポイントがあり、その合計ポイントをクリアすることでランクアップになります。詳しいポイントについては実際にクエスト依頼を受ける時に説明します」
クロードさんの説明を聞き、私が14歳になる年までにやっておかなければならないことが、冒険者のランクがAになることだということは理解できた。
嫁入りの時は国境を超えるのに、それほど審査が必要ではなかったためにスムーズにこの国へ入れたが、国と国を跨ぐとなるとやはり審査は厳しくなる。
それを簡単に済ませるのが冒険者ギルドのAランクカードだ。
まるで水戸黄門の印籠のようなそのカード、是非取得しなくては。
先ずは、冒険に出るにしろ生活するにしろ先立つ物が必要。
つまり商いを軌道に乗せなくてはいけない。
とりあえず新店舗購入が先。
次にやることが新しい商品開発。
主にバーガー系かな?
ヤマト島で作っている香辛料も必要だなぁ。
ピリ辛のソースは意外と行けるかもしれない。
そうだ、順調に進めばチェーン店にしよう。
そして、他所の町にも店舗を購入しよう。
移動式の出店タイプもいいよなぁ。
それで最初に需要と供給を見ながら、その町にあった店舗を購入するのもありだ。
麺類も、パスタだけでなく、うどんやラーメンもいいな。
けど、ラーメンの味になると多岐に渡りすぎて、ちょっと手を出すのには早いかな。
ここは王道に乗って味噌と醤油、そんでもって慣れて来たら塩と豚骨で攻めて見て順調なようなら他の味にもチャレンジするのもありかもしれない。
焼きそばもいいよね。
考えただけでアイデアが続々と浮かんでくる。
やばい。
とりあえず、若者が好むような食べ物を流通させよう。
しょっぱいのとか辛いのとかこの世界にない味を提供してがっつりと稼ぐ。
ふむふむ。
「新店舗の件でしたら、エトラ様がお話しされていた店舗をすでに購入済みです」
キリさんの声に私の思考が一時ストップする。
「冒険者ランクのアップでしたら、私もお手伝いできますので、手すきの時にでもクエストを受けましょうか?」
あれれ?
「もしかして、私の考えていること声に出ちゃってました?」
「はい。バッチリと出ておりました。少々話していることの内容が理解できない部分はありましたが、私の知識不足です申し訳ございません。これから更に勉強させていただきます」
キリさんはそう言うと深々と頭を下げた。
すみません。
頭を下げたいのは私の方です。
お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。




