冒険者登録
冒険者ギルドは町の入り口近くにあったため、港からはだいぶ離れていた。
港から町の中央を経て冒険者ギルドにたどり着いた時には、出発してから既に1時間の時間が過ぎていた。
冒険者ギルドは商業ギルドの約2倍の大きさの建物だ。
ギルドの中には初心者用の講座を開くための訓練所のような施設も入っているから、このような大きさになるらしい。
両開きの大きな扉を開けると、そこはまるで飲み屋さんか何かのような雰囲気の場所だった。
入口を入ると数個のテーブルに各々5組の椅子が設置してあり、そこには何組かのパーティーが座っていた。
雰囲気から高ランクのパーティーに思える。
そして建物に入って右側の壁一面にクエスト依頼の掲示板があり、手前からレベルの低い依頼が始まり、奥へ行くほど難易度が高くなるらしい。
左側は受付カウンターが並んでおり、今はそれ程混んではいなかった。
私たちはまず建物に入って左側の方にある受付の方へと向かった。
受付カウンターは5つつあり、一番手前の二つがクエスト受付と依頼完了受付になっているらしい。
そして、次の2つが素材受付カウンターになっており、依頼品の素材受付と依頼以外の素材受付の両方とも行っている。
そして、一番奥の受付カウンターが総合受け付けとなっていた。
総合受付では新規の冒険者登録やパーティー登録、その他ギルドに対しての書届出などを受け付けている。
私たちは新規の冒険者登録のために来たので一番奥のカウンターまで進む。
幸いなことに総合受付カウンターには誰もおらず、直ぐに手続きをしてもらえた。
「冒険者キルドへようこそ。新人の冒険者登録ですね」
そう言ったのは30代前半くらいの綺麗なお姉さんだ。
金髪碧眼の典型的な美女。
そして、更にとても女性らしい体型をしておりまるでマリリ◯モンローを思わせた。
思わずキリさんを見てしまったのは不可抗力だと思う。
しかし、キリさんは至って平常運行の涼しいお顔のままだ。
どうやらキリさんはこんなセクシーな美女を見ても何時もの涼しい顔のまま何も変わらないらしい。
リナさんに会った時のような反応はないと言うことだ。
「はい。冒険者登録をお願いします」
受付のお姉さんに私が返答すると「えっ」と驚いたような顔になる。
「あの、そちらのお兄さんが冒険者登録をされるのでは?」
そうですよね。
普通はこんな子供が冒険者登録なんてしませんよね。
「私はこちらのお方の補佐役をしている者です。会頭が冒険者登録をするとの事でご一緒させて頂きました」
丁重に説明するキリさん。
「会頭と言う事は、商業ギルドには登録されていると言う事でしょうか?」
受付のお姉さんが私の方を見てそう問い掛けた。
勿論YESだ。
「他ギルドで登録済みの方は、冒険者登録する上で他のギルドと情報共有するために紐づけをしております。商業ギルドのカードのご提示をお願いします」
丁重にそう告げるお姉さん。
「はい。分かりました」
私はそっと胸ポケットから商業ギルドカードを取り出した。
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