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巫女の意味が

「新たな神使も無事生まれたし、エトラがこの島に留まる理由もなくなってしまったね」

クロードさんがドラゴンのゴンちゃんを撫でながら問題発言をする。

「そうだな、巫女が守ってきた神使の卵も孵化したし。ヤマト島に封印していたヤマタノオロチの精神体も気づけばいなくなっていた。聖剣にしても封印のどさくさにどこかへ行ってしまっているしね」

ララさんは自身の髪をいじりながら私の方を見る。

って言うか、とんでもない問題発言なんじゃないかしら?

「封印していた精神体がいなくなっていた」とか、「聖剣もどこかへ行った」とか、ヤマト島の危機管理はどうなっているのだろう?と本気で心配になってしまう。

島へ入る時のあの厳重なトラップ?みたいなものは役に立たなかったという事だよね。

そう言えば、転移の魔術で私が移動出来たと言うことは、あの魔術を使える人からしたらどんなセキュリティ対策されていても無駄になるって事だよね。

つまり、魔術の天才だったら来たことのないヤマト島でも座標の計算をしてパッとひとッ飛びって事。

「あの、エトラ。一応言っておくけど、ヤマト島とか神域と呼ばれる場所への転移魔術での侵入は、その神域の主の許可を得た者にしか転移魔術での侵入は出来ないからね」

「えっ、私言葉に出してました?」

無意識に声に出ていたのかしら?と小首を傾げると

「目が言っていたよ」

と、クロードさんは深いため息を吐きながら言った。

そんな私たちをケラケラと笑いながらララさんが話に割って入る。

「取り合えず、一枚目のスタンプラリーが終わったら聖剣探しに行ってみるかな」

「そうですね。今は期限も決まっていますし、前進あるのみですね」

そして、何故か勝手に私の方向性を二人で決めて行く。

「そうだね。あいつの体を破壊するのにも聖剣は必要だしね」

あいつって、もしかして神の山に捕らえている頭の部分かな?

「じゃあ、もう巫女の継承の儀式も必要ないんじゃないかな?受け継ぐべき神使が生まれた事だし」

クロードさんの提案にララさんもウカさんも同意する。

「ちょ、ちょっと待って下さい」

私は焦って三人の会話に乱入する。

「それはあまりにもリナさんやヤマト島の皆さんに失礼になりますよ。せめて理由とか、神使が誕生した事を伝えて労うべきです」

リナさんなんか巫女になった為に婚期を逃してしまったと嘆いていたのに、もう必要でないよね発言はいただけないと思うんだよ。

「確かに、エトラの言う通りだね」

「分かったわ。ゴンちゃんのお披露目をしてヤマト島のみんなとお祝いをしましょう」

「ああ、分かってくれたんですね。神様」

思わず嬉しくなって三人の神様の手を順番に取り握手する。

「じゃあ、私とウカはヤマト島に行けないからクロードお願いするわね」

ララさんはクロードさんの背中に一発激励するかのように大きく叩く。

「了解しました。面倒事はいつも私ですからね」

クロードさんの最後の方の言葉はごにょごにょしていて聞き取れなかった。

けど、まあ良いか。



お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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