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名前を付ける所までが責任です

生まれたてのドラゴンは光を放っていたが、次第にその光は収束して白いドラゴンになっていた。

「生まれたばかりのドラゴンはまだ属性が決まっていないから白いけど、成長する毎に外見が変わっていくんだ。今はまだ白だが、エトラの育て方次第でこの子は変わって行く事だけは覚えていて欲しい」

金髪お姉さんが年上らしく私に説明をする。

「あの、先ほどは助けて頂きありがとうございます。えっと、クロードさんのお姉さんで良いのでしょうか?」

一応確認のためにそう聞く。

確認は万が一クロードさんの恋人だと言われたら失礼になってしまうからだ。

金髪お姉さんは目を丸くし「なじみがあるから失念していたな」と言うと私の手を取りニコリと微笑む。

「クロードの姉にして光の神のララーだ」

紳士的にララさんは自己紹介をしてくれる。

けど、えっ、光の神様?

私は思わずクロードさんを見た。

先ほど「さんしん」と言っていたのは「三神」だったんだ。

と、言う事は。

「もしかして、クロードさんも神様なんですか?」

本来ならきちんと挨拶すべきところ、あまりにの驚きにクロードへ問い掛けていた。

「そうですね。決して秘密にしていた訳じゃありませんが、説明する機会がなかっただけですけどね」

クロードさんは素っ気なくそう言うが分かっていて言わなかったんだと思う。

「一応闇の神をしている」

「えー!!光と闇の神様ってあの最初の神様の」

まさに神話の世界だ。

「そうよ。私とクロは双子の神なの」

ララさんは面白そうに私を見る。

「では、クロードさんではなく、クロード様と呼ばなくてはいけませんでいたね。申し訳ございません」

私はクロードさんの方を見て深々と頭を下げる。

「今まで通りで良い。だから身バレしたくなかったんだよ」

心底イヤそうに話すクロードさん。

「じゃあエトラ、私の事も様なしで読んでよ」

ララさんも変な悪乗りで私の頭を撫でながら言う。

「そうじゃないと不敬罪で呪うわよ」

更に追い打ちをかけるようにララさんが言う。

下手するとクロードさんよりララさんの方が怖いかもしれない。

「分かりました。ララさん。クロードさん。これで良いですか?」

観念して私がそう言うと二人とも満面の笑みで私見る。

どうやら正解のようで良かった。

「じゃあ、そろそろこの子の名前を付けようか」

パンとララさんが手を叩き話を切り替える。

「そうですね。いつまでも名無しの権兵衛じゃ不便ですものね。何という名前にしますか?」

私はララさん、クロードさん、ウカさんという順番で目配せをする。

するとララさんが「生まれた子の名前は親が子供に贈る初めてのギフトだと相場が決まっている」

エッヘンと胸を張ってララさんが宣言した。

「名前を付ける所までが責任ですよ。けど、突然の事だからエトラも困りますよね」

クロードさんは優しく私をフォローしてくれる。

「クロードさん」

思わずクロードさんを拝んでしまった。

「だから、名前はゆっくりと決めましょう。それまでは仮の名前で権兵衛と呼びましょうか」

「そうだな。ところでエトラ。権兵衛とはどのような意味だ」

ララさんが無邪気に私に問い掛けて来るが。

「可及的速やかに考えますね」

名前は人に頼らず最優先事項で自身で決めると心に誓った日でもあった。

「けど、せめてゴンちゃんと呼んで下さい」

流石に権兵衛と言う名の神使は無いと思うから。

お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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