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草原の向こうには

昨日来た草原の中に佇む。

祠の入口とは一変して暖かな空気に包まれている。

「クロードさん。そう言えばここは何処なのでしょうか?祠の中にこんなに広い空間があるなんて驚きで、もしかしてあの祠の入口に転移の魔術とかが組み込まれているんですか?」

昨日からの疑問を素直に問い掛ける。

「そうですね。祠の入口に転移の魔術が組み込まれていると言うのはあながち間違ってはいません。ただ、この場合は空間がねじ曲がっていると言った方が良いでしょう。本来あった空間がこの島の中にくるっと入ってしまったと言う感じです」

「えっと、どうゆうことでしょうか?」

「ヤマタノオロチが破壊して完全に消滅する前の土地を地表に向かっていた力をくるっと内側に持ってきたんです。神々の力を使ってね、外に向かうベクトルの方向を変えたんだ」

「すみません。理解出来ません」

「うん。そうだね。人の身では難しいよね。まぁ、別の空間と思ってもらって大丈夫だから」

「はい」

クロードさんは説明を止めてしまった。

そして、私も聞くのを断念した。

正直考えていたら頭がおかしくなってしまったからだ。

「ここはね。昔君の母国だった土地なんだよ。ルワールはここマルセタより三倍は大きな国だったんだ」

今のルワールはマルセタの半分位の大きさだ。

それがマルセタより大きかったなんて驚きしかない。

「けど、ヤマタノオロチが破壊してしまい。苦肉の策としてここにルワールの土地を封印している。封印した理由は言えないけど、エトラならきっと正解にたどり着けると思っている。じゃあ、この世界を探検してみようか。取り合えずこのまま真っすぐ進んでみよう」

「はい」

私は先に歩き出したクロードさんの隣に急いで駆けた。

「あの、この先には何かあるのでしょうか?」

「町みたいなものがあるから、まずは進もう。これも修行の内だからね。あっ、そうそう、歩く時は身体強化の魔術を使うと良いよ。全身を魔力で覆い自身の体が強くなるようなイメージかな。因みに、走る時は体が軽くなるようなイメージで、イメージ次第では色々出来るから」

「はい。わかりました」

私は早速体の周りに魔力を這わせる。

体を強くするイメージで。

「イメージをするのに効果的なのは言葉だ。イメージしやすい言葉を当てはめて魔術を使うのは効率が良い。けど、魔術師達が使っている言葉に固執する必要もない。何度も言うがイメージと適正な魔力が合わさって起きる現象が魔術になるんだ」

「はい。師匠」

思わずクロードさんを師匠と呼んでしまった。

「師匠・・・」

クロードさんが固まっている。

「師匠・・・良いでしょう。巫女の儀式が終わるまでの間師匠と呼ぶ事を許可します」

まんざらでもない笑みを見せクロードさんがご機嫌な様子で師匠呼びを許可してくれた。

そして、私は身体強化の甲斐あってか、それから三時間後草原を抜け新たな場所へと出たのである。


お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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