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ヤマト島へ向かいます

現在、私は船上の人になっていた。

「ヤマト島までは2時間位かかる」

ウシオさんはそれだけを言うと船内に入って行った。

私とリナさんは甲板に二人だけ取り残された状態でいる。

「で、この状況になった理由をお聞きしても良いでしょうか?」

強制連行された私はリナさんに理由を尋ねた。

「まず魔力と神力の違いは分かる?」

「いえ、そもそも魔術に関係する勉強はしていないので」

私が習ったのは読み書きと簡単な計算、そして貴族のマナーと嗜み程度だ。

魔術については7歳の儀式で得意な属性が分かり次第学ぶ事になっていたが、魔術の才能無しと判明したので魔術に触れる機会さえなかった。

「そうか。じゃあ、お姉さんが島に着くまでの間に簡単に説明するわね」

「お願いします」

拉致されてお願いするのは何かおかしいけど、リナさんがそうせざるを得ない何かがあるのだろう。

「OK。じゃあ、まず神力と魔力の違いだけど、魔素の純度と言うの?神力1に対して魔力は1,000で、これをお互いに神力から魔力、魔力から神力に変換する事が出来るの。けど、ここで交換手数料って言えば分かり易いかな?それが発生して魔力を神力に交換するのに神力1に対して魔力は1100位消耗するの、逆に神力から魔力に交換する場合は神力1は魔力998になる。この誤差は魔素の質の違いなの」

「えっと、何故わざわざ変換するのですか?」

「魔術は魔力を、奇跡は神力を必要とするからね」

「奇跡ですか?」

「そうよ。魔術では解決出来ない事は神力で解決するのね」

魔術と奇跡と言われると何となく納得出来るような気もする。

「で、ここからが本題。私達ヤマト島の住民は魔力じゃなくて神力があるの。多分ヤマト島に光の神の力が他の地域より強くある事が関係するかもしれないけどね」

「あの、因みにですが、普通の人の魔力は幾ら位なんですか?」

ここが一番重要だよね。

「そうね、7歳の儀式の時の平民なら5あれば普通かな。大人になれば魔術師としての才能がない人で25〜30程度はあるわね」

「魔術師は幾らあるとなれますか?」

「扱える魔術にもよるけど、500あれば一流かしら。因みに加護持ちは最低でも3000位は魔力があるみたいよ」

おお、お兄様実は凄かったんだ。

心の中でアンドリューお兄様を思い出す。

「で、問題の貴女の7歳の時の結果なんだけど、神殿でやっているあの測定機は神力と魔力の区別がつかないの。多分貴女の両親のどちらかがヤマト島の出身者の血筋なんじゃないかな?」

えっと、つまり

「貴女は魔力ではなく神力がある。それもかなりの神力がね。巫女になった私でも神力は3、けど、貴女の神力はそれ以上ね。腕には加護らしき痕は何もないけど、もしかして、神の寵愛を貰っているとか?」 

「寵愛?加護持ちは聞いた事がありますけど」

リナさんはそれは深いため息をつく。

「本当に魔術の事は何も知らないのね。加護持ちの人は右手の甲、もしくは左手の甲に加護を授けた神様の紋様が現れるけど、あれはマーキングのようなもので、寵愛を受けた人は魔術を使う時のみ紋様が浮かび上がるの。寵愛は基本的に後天的に授かる事が多いから、いつか手の甲に光の紋様が浮かんだ事はない?寵愛を受けた時とかにも光の紋様は浮かぶものだから」

「すみません。そのような記憶は生憎ないです」

「じゃあ、有り得なくはないけど、寝ている時にでも寵愛を貰ったのかしら?」

コテンとリナさんは頭を傾ける。

普通にお話すると案外カワイイ人なのかもしれない。

「ねぇ、試しに回復魔法を使ってみない?」

「回復魔法ですか?」

回復魔法とは光属性の魔術だ。

「丁度、回復魔法を必要としている子がいるのよ」

そう言ってリナさんは立ち上がると首から下げているネックレスのペンダントトップを口に咥え息を吹く。

ピリピリと空気を震わす何かが出たと思ったら、海上にピョコンと白い大きな物が浮上して来た。

お読み頂きありがとうございます。

また、読んで頂けたら幸いです。

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