所で、精霊契約って何?
酔い潰れたリナさんに布団を掛け、私達はウシオさんと対談をしている。
「我が一族と契約したからには全面的に協力をしよう」
無条件で協力を約束するその契約って、やっぱり何かのフラグだろうか?
「あの、その契約ですが、詳しく聞いてもいいですか?」
可も不可もなく勝手に一方的に結ばれた契約だけど、これが人生初の理不尽な契約と言う訳でも無い。
実際、今も何故か抜けないでいる結婚指輪も言い換えれば一方的な契約と言えなくもない。
何せ、私には拒否権がなかったのだから。
「ヤマトタケルとヤマタノオロチを知っているか?」
日本神話で語られている、あの伝説で良いのかな?
けど、ここは別世界だし。
「すみません。歴史に疎くて」
私がそう言うとウシオさんがメイソンさんの方を見て同じ事を聞いて来る。
「えっと、確か太陽の登る場所からヤマタノオロチと言うドラゴンが生まれて8つの頭を持ち、この世界を蹂躙したんですよね。その時に、神の遣わした一本の聖なる剣で、そのドラゴンの首のうち7つを切り落とし勝利したのが英雄ヤマトタケルと聞いています」
ヤマトタケルは英雄だったんだ。
まぁ、魔王とか邪龍退治とか、やはり異世界は英雄か勇者の仕事だよね。
けど、勇者ではなく英雄か。
それに、この世界は7と言う数字に思い入れがあるのだろうか?
神様も全部で7人だし。
「そして、その時の聖なる剣を祀っているのが、我が一族が守っていると言っていた祠だ」
おお、定番の流れだ。
「が、実際の祠には何もない」
「「えっ?」」
流石に私とメイソンさんの声がハモった。
「今はただの社だ。それに、泉にも何の力も感じなくなってしまった。それで言うとルワールの神の山の祠の方がまだ説得力がある。何せあそこは万年吹雪で誰も近付けないのだろう」
「神の山?」
何か昔聞いた事があるように思う。
どこでだっけ・・・。
確か、私が7歳の魔力判定の時に
「魔力の少ない王族なら利用価値もない。神の山への生贄が7年後だから丁度良い」
誰の声だっただろう。
「ミリアは王族から除名する。もう王族ではない。生贄の資格もなかろう」
これは父の声だ。
あの時・・・
「トラ・・・エトラ、聞いてる?」
メイソンさんの声に思わずハッとする。
「ごめん、ちょっとトリップしていた。すみません、ウシオさん続けて下さい」
「ふむ。元々リナの一族が守っていた祠と神の山の祠は同じ伝説が語られている。最後に残った頭のドラゴンが封印されていると。それと、元々はヤマト島はルワールと陸続きになっていたが、ヤマタノオロチが暴れた時に大陸が海に沈んだとも話されている。当時のルワールは大きな国で帝国と呼ばれていたらしいが、ヤマタノオロチに手酷く蹂躙され今はマルセタより小さな国になってしまった」
ウシオさんの話が本当ならルワールはマルセタの3倍は大きな国と推察される。
もしくはそれ以上かもしれない。
そんな大国を海に沈めてしまう怪物も凄いが、何故そんな怪物が現れたのか、そこも不思議だ。
「あの、所で、精霊契約って何?」
何のフラグか確認は大事。
ウシオさんはそれを聞いた途端に目を泳がせた。
「俺も人伝に聞いたから確かではないのだが、巫女は代々精霊の卵を儀式で受け渡しているそうだ。何百年と言う歳月を使い巫女達は精霊の卵を守って来たそうだ」
「あれ?巫女さんが代々受け継ぐって事は、まさか・・・」
ウシオさんは今度こそ土下座をして平謝りをして来る。
「すまん。つまりリナの次の巫女が君で、現在の巫女と言う事になる。まさかリナが酒のせいでこんな馬鹿をするとは思ってもみなかったんだ。まさか男の子に巫女を譲るとは」
困ったように話すウシオさん。
けど、一応私は女の子なんですけど。
巫女さんとか、まさかのフラグだよ。
お読み頂きありがとうございます。
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追伸、執筆のモチベーションアップのため高評価頂けたら嬉しいです。今後も宜しくお願い致します。




