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取り敢えず、ご飯にしませんか

「あの、初対面の会って直ぐの人に『運命です。結婚して』は、無しだと思います。普通の人は怖がります」

綺麗な感じのお姉さんだけど、サイコパスかもしれない。

「まずは、お互いを知る為にも良く話をしてから、これからの事を決めませんか?」

本当にサイコパスだったらヤバいし、ここは穏便に話を進めなくては。

「取り敢えず、食事をしながら話をしませんか?美味しい食べ物はお腹にも心にもいいですから。ね」

結婚云々はともかく、唐辛子の交渉だけは成功させなければならない。

いっその事、メイソンさんを生贄にして唐辛子をゲットしようか。 

真面目に考えていると、メイソンさんが目を潤ませながら「俺、年下好みなんだよぉ」と泣き脅しをかけてくる。

「分ったから、兎に角リナさんと話をしない事にはお互いに目的が達成しないよ」

主に唐辛子が。

「エトラ、お願いだから俺を売るような真似だけはしないでくれよぉ」

男が涙目でそんな事を訴えてきてもキモいだけだ。

「大丈夫。良く話せば分かりあえるから」

そう言って取り敢えず宥めてみる。

「ここでは捕れたての海鮮料理があり、良ければ店主オススメのコースを出しますぜ」

私達の話をただ静観していた海の親父風の男が突然会話に入って来た。

頭にはトレードマークのように握りハチマキをしている。

「あぁ、エトラ。彼はここの漁業者をまとめているウシオさんだよ」

メイソンさんが慌てて私に説明する。

「初めまして、カーター商会を起ち上げましたエトラです。宜しくお願いします」

そう言って深々とお辞儀をする。

「子供にしては礼儀のある子だ。俺はここの港で漁師等の顔役やってるウシオってんだ。宜しくな」

ウシオさんはそう言いながら私の頭をガシガシと撫でる。

思いっきり髪の毛がグシャグシャになってしまう。

すると、リナさんが何処から出したのか、櫛で私の髪を直してくれた。

「ありがとうございます。リナさん」

サイコパスだと思ってごめんなさい。

気遣いの出来るお姉さんでした。

「良いのよ。折角綺麗な髪なのに、ガサツな男らときたら」

そう言ってリナさんは私の髪を整えてくれた。

「おお、わり〜な。今日はお詫びに特別メニューで歓迎してやるぜ」

ウシオさんはそう言うと奥の部屋へと案内してくれる。

どうにも豪快な人だ。


「では、改めましてエトラと申します。今は食品に関係する物を取り扱っています。もし宜しければそちらの取り扱っている商品を弊社で仕入れたいので、本日メイソンさんに頼み顔合わせさせて頂いております」

仕切り直しと言うように、飲み物が届いて直ぐに挨拶を始める。

それに対してはウシオさんは「固っ苦しい挨拶は飯の後だ」と手を振る。

私とメイソンさんはトロピカルジュースと書かれていた物を頼んだ。

リナさんと何故かここに居座るウシオさんは船乗りの酒と書かれている物を頼んでいる。


トロピカルジュース、それを一口飲んで後悔と書く、その心は「なんでこんなにドロドロしているの」

フルーツの味は確かにするが、そこに生クリームを作成していて固まらなかった液のようなドロドロ感が凄くある。

ストローで飲めるようには思えず、思わずウシオさんを見てしまった。

「すまんな。俺の店は酒にはこだわっているんだが、お子ちゃまの飲みもんにはこだわらない主義なんだ。サービスしとくぜ」

ウシオさんはキップのいい男を演じているが、トロピカルジュースは正直飲んだ事を後悔するような品物だった。

こんなの、子供でも頼まないよ。


後で美味しいジュースの生産も視野にいれウシオさんに売りつけよう。

そう心に誓った。

お読み頂きありがとうございます。

また、誤字報告ありがとうございます。大変助かりました。この場で感謝させていただきます。本当にありがとうございます。

また、読んで頂けたら幸いです。


追伸、執筆のモチベーションアップのため高評価頂けたら嬉しいです。今後も宜しくお願い致します。

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