ララーさんの加護を指輪に入れて貰いました
ご無沙汰しております。
久し振りの投稿になります。
よろしくお願い致します。
私達はレノルに来た時と同じ教会に来ていた。
と、言うのもレノルに着いた時にこの教会の祭壇の前に目印をつけていたからだ。
転移する時に出発点と終着点に目印を付けておくと魔術の発動が楽に出来るし、何より、印を付けておくと魔術の通路が一度出来ているために次に使用する時は消費する魔力量も少なく、他の術者にも魔力の乱れを感知されずらいのだ。
今はヤマタノオロチの件もあり、なるべくこちらの動きを悟られないようにしたいので、一度繋がっている魔力の回廊を使うことにしたのだ。
しかし、転移する前にやらなくてはいけない事がある。
敵の影響下にある土地に入る前に
「レックスさん、ちょっとだけ一人で神様にお祈りして来ても良いですか?」
勿論、レックスさんが私のお願いを無視しない事は織り込み済みだ。
今まで旅をしてきてそれは十分に理解している。
「ええ、大丈夫ですよ」
案の定レックスさんは快く私のお願いを聞いてくれる。
雇用者と被雇用者の関係は兎も角、レックスさんは今回の旅の間中私の意見を最大限尊重してくれている。
それが有り難くもある。
私はレックスさんに一礼すると、そのままララーさんの祀られている石像の前まで小走りで移動した。
そして、レックスさんから貰った指輪をを意識しながらララーさんに話しかける。
「ララーさん、この宝石に加護を頂けますか?」
心の中でそう尋ねるとララーさんは楽しそうに返事の声を私の頭の中に響かせる。
「ええ、大丈夫よ。この石なら相性も良いし、相当な加護を入れられるわ。とても強い石ね」
ララーさんはそう言うと私の指輪に加護を込める。
どうやら石の力については私の想像通りらしい。
宝石やパワーストーンにはそれぞれ意味があり効果がある。
それはどんな石を使っても同じ効果とは言えないと言う事。
魔力や神力と相性の良い石があり、効果を存分に引き出すには相性が優先される。
勿論石自体の質も大切だ。
「この石なら私の加護を存分に付与出来るわ」
ララーさんは楽しそうに加護の光を放ちながら囁く。
「そうそう、その中心の赤い石の隣にある透明な石だけど、それに力の神の加護も入れちゃいましょう」
ララーさんはそう言うとゴツい神様を自身の隣に引っ張り出す。
「ほら、あんたも加護を入れなさい」
半強制的にララーさんは押し切るように力の神様に加護の強要をする。
「わかってますって姉御」
力の神様は半場ララーさんの尻に敷かれるように加護を行使する。
『ララーさん、ありがとうございます』
心の中で盛大にララーさんを拝む。
「ふむ、信仰心があって宜しい。これで私の力も増幅されると思うし万事大丈夫ね」
ララーさんはやりきったとばかりに満足気である。
「期待しているわ。ピンチの時はスタンプカードを使うのよ」
ララーさんはそう言うとフッと空に消えた。
「スタンプカード?」
お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。




