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レノル領は広いのね

「レックスさん、すみません。意思確認もせずに勝手に同行を決めてしまって」


あの後簡単な手荷物だけを持って私とレックスさんは私の部屋に集合していた。

「いえ、元々の依頼の内容が貴方を護衛することですから気にしないでください。寧ろ逆に置いていくと言われても俺は何が何でも着いて行くつもりですから」

確かに、冒険者が一度受けた依頼を放棄するのは規約違反だ。

それも、Sランクとなれば尚の事、信用問題にもなる案件だ。

「ありがとうございます。そう言っていただけると心が軽くなります」

でも、何だろう?先程感じたレックスさんの違和感は。

気のせいでなければレックスさんはレンジさんに苦手意識があるように感じた。

まぁ、本人が大丈夫と言っているのだから大丈夫なのだろうけど、気になる。

「それで、レノル領のどの辺りに転移する予定ですか?場所によっては結構な距離がある事もありますので」

「レノル領ってそんなに広いのですか?」

正直に言えば婚家の事をあまり良く知らない。

何せ、私が主に活動していたのはマルセタ国の南の地域になるからだ。

レノル領は首都を挟んで真逆の位置にある。

つまり、マルセタ国の北側なのだ。

それに、マルセタ国の北側はレンジさんに販売を頼んでいたので正直に言えばそれほど勉強していない。

「レノル領の広さはマルセタ国の四分の一の広さになるから端から端には馬を飛ばしても一週間以上はかかる距離感だ」

それって、ルワールからレノル領までの距離と変わらないよね。

「レノルの初代当主が当時のマルセタ国王の双子の弟だったらしく、その為に国の四分の一を領地に頂いたらしい」

レノル家は建国時からある家柄と聞いていた。

国王にならない代わりに国の四分の一の領土を領地としていただいたと聞けばまぁ、聞こえは良いのか?微妙な感じだ。

「なので、転移した場所によっては結構な距離を移動することになる」

レックスさんは丁寧に説明してくれるが、多分それは杞憂に過ぎない。

だって、私が今から転移する場所は領主の館から一番近い教会なのだから。

「大丈夫です。とても近い場所ですので早速参りましょう」

ある程度の貴族の家の敷地内には聖堂があるところがある。

ジョシュアの過ごす館も体の弱いジョシュアの事を思ってジョシュアの父親が敷地内に聖堂を建てているのだ。

私はレックスさんを促しながら邸の隣に建てられた聖堂へと向かった。

小さいながらにも最低限の形が施された彫像達。

「では、今からお祈りをします。レックスさんも一緒にお願いしますね」

私はレックスさんを促しながら両手を合わせて祈りのポーズをとった。

すっと光が私を照らす。

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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