魔力と神力は違う
この世界は魔力量はあくまでも数値化されたものでしか分からないらしく、何処かのアニメみたいに魔力量を肌で感じるものではないらしい。
だから、私の魔力量は表示された数字で、その値が魔力なのか神力なのかは区別出来ないらしい。
でもさぁ、神力の1が魔力の1000相当だと言うことを誰も理解しない事に正直驚きしかない。
ジョシュアはあくまでも私の昔の評価しか知らないのだ。
けど、ここで懇切丁寧に噛み砕いて説明する必要はない。
「ちなみにですが、僕の魔力量は500です。魔術師を名乗れる程度にはあります」
基本的に、この世界の貴族は魔力量が多いらしい。
家門の魔力の質を向上させるために、より魔力の高い者を血筋に加えてきた事で貴族は今の地位にいるのだ。
公爵家の子息として魔力量500は正直に言えば少ないだろう。
本来なら1000は欲しいくらいだ。
「ミリア様は今どの位の魔力量ですか?」
ジョシュアは私に喧嘩を売るために会いたいと言ったのだろうか?甚だ疑問である。
「今現在は100です」
神様達の特訓のお陰でここまでこれたのだ。
今現在の人間界ではトップになる神力らしい。
「僕の五分の一ですか」
なんだろう、この小馬鹿にされたよつな気持ちは。
「あの、今の話で魔力量はそれ程重要ですか?」
だいたい、何でそんなにジョシュアは聖女様にご執心なのか?
疑問でしかない。
「ジョシュア、いい加減そのあたりで止めろ」
アンドリューお兄様が低い声でジョシュアを止める。
明らかに不機嫌なご様子である。
「ミリアの魔力量は普通の数字とは違う物差しで計られている。悪いが、ジョシュア、君よりも多くの魔術を発動させられるよ」
アンドリューお兄様はジョシュアを冷ややかな目で見ながらそう宣言した。
まぁ、確かにそうなんですけどね。
神力100は魔力にすれば100の千倍ですからね。
ジョシュアの魔力量なんて雀の涙ですわ。
けど、そんな事をここで言っても意味がない。
それに、多分会った事もない聖女様にこんなに肩入れしているのも変な話だ。
後でジョシュアの事も詳しく調べる必要があるだろう。
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