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ミリア・エトラ・レノル

ミリア・エトラ・レノル


私の名前が写し出された魔法紙をギルド長がマジマジと見つめる。


「まさか、貴女様は」

「守秘義務を行使します」

ギルド長ににこやかに微笑んで見せると

「心得ております」

と、丁寧に返してきた。

「私の商会で取り扱う商品は今日持ち込んでいるピーラーとスライサーです。また、今家で販売しているフライドポテトとポテトフライですが、そのレシピを公開する用意もありますが、その食材について取り扱いや生産方法で注意事項が幾つかあります。ですので、そちらも今日ご相談したいのですが如何でしょうか?」


「あのフライドポテトのレシピを公開して下さるのですか?それは有難い」


ギルド長は一気に商売人の顔になった。


「はい。ですが、その前にこちらの商品ピーラーとスライサーの商品登録からお願いします」


私の合図に従いメイソンさんが試作品達をテーブルの上に並べる。


「まずは、こちらのピーラーですが、このように人参等の根菜類の皮をむくのに向いています。また、こちらのピーラーですとキャベツもこの通り千切りになります」


私は手早く野菜を持つと実践して見せた。


「おおーっ、こんなに簡単に」

ギルド長は目を大きくさせてピーラーを見入る。

「続きましてスライサーです」

私は実演販売のお姉さん宜しく、キュウリや玉ねぎ、大根の千切りを作って見せた。

「なんと、一瞬で」

ギルド長は少し興奮気味になるが、ここで終わるのでは芸がない。

私はそこでブロック切りされた生肉を取り出す。


「すみませんが、氷魔法を使える方はいらっしゃいますか?」

商業ギルドだ。

氷魔法を使える魔法師の一人や二人、囲っていても不思議ではない。


すると、ギルド長が応接室に待機している補佐官を呼んだ。

勿論、一緒にいたハンナさん夫婦も一緒である。


「氷魔法を使えるマキシムだ」

「マキシムです。以後お見知りおきを」

マキシムさんは丁寧に頭を下げる。

「こちらこそ、宜しくお願いします。早速ですがこの肉を軽く凍らせて下さい」


そう言ってブロック肉を皿に置いてマキシムさんの方へと渡す。


「肉を・・・ですか。初めての依頼ですね」

マキシムさんは少し困惑し目を丸くしてブロック肉を見ている。


「早くやってみてくれ」

待ちくたびれたギルド長がマキシムさんを急かす。

マキシムさんは「やれやれ」と言う感じでブロック肉に魔法をかける。

「こんな感じでどうですか?」

マキシムさんから凍ったブロック肉を貰うと直ぐにスライサーにかける。

すると、2から3ミリ程の厚さの肉が皿に落ちた。

そして、私は前もって作って置いた野菜炒めを取り出すとギルド長が珍しい物を見るようにそれを覗き込む。

そして、ギルド長はマイ箸を懐から取り出しひとつまみを徐ろに食べる。

咀嚼しているうちにギルド長の目が大きく見開かれる。

「こんなに薄いのに肉の味がする」


そりゃ、ブロック肉を食べていた皆さんからしたら、小間切れの肉とか薄く感じるだろうなぁ、とは思う。

けど、私の目標はしゃぶしゃぶとかのレベルですよ。

まだまだ厚い方です。


「このように色々な料理を考えています。そして、この料理もいずれはレシピを公開します」

焼肉のタレとか売れそうな予感しかしない。

今は兎に角、11年分の税収を稼いで旦那さんの名前を取り戻すのが先決だ。

がっつり稼ぐよ〜。

お読み頂きありがとうございます。

また、誤字報告ありがとうございます。大変助かりました。この場で感謝させていただきます。本当にありがとうございます。

また、読んで頂けたら幸いです。


追伸、執筆のモチベーションアップのため高評価頂けたら嬉しいです。今後も宜しくお願い致します。

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