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ゼバスさん、笑顔が怖いです

翌日、私はゴンちゃんを、レックスさんはハクを連れてゼバスさん達と合流した。

「その生き物はなんだ?」

ゼバスさんが眉間にシワを寄せて問い掛けて来る。

ごもっともな言葉に私は一瞬本当の事を言うべきか悩んだ。

「これはペットだ」

レックスさんが空かさずゼバスさんに答えた。

「ペット?」

ゼバスさんの眉間のシワが更に深くなる。

「昨日ミリアと共に選んだんだ。ペットは貴族の嗜みだろう?」

レックスさんの主張にゼバスさんは頭を抱えた。

「この旅は遊びじゃないんだ」

低くドスの効いた声でゼバスさんはレックスさんを見る。

これはヤバいのでは?

私は慌てて二人の間に入った。

「これにはちゃんとした理由があるんです。今は言えませんが、後で説明します」

小声でゼバスさんにそう説明すると、ゼバスさんは深いため息を吐いた。

「分かりました。ペット上等です。後でキチンとお話をしましょう」

ゼバスさん、笑顔がめちゃくちゃ怖いです。

引きつるような笑みで話すゼバスさん。

「はい、キチンと説明します」

「よろしい。では、出発しますよ」

ゼバスさんはそう言うと私達を促して、外で待たせている馬車へとエスコートしてくれた。


馬車へ乗るとモリーさんが乗って来ると思ったら、何故かゼバスさんが乗って来た。

「馬車を出せ」

ゼバスさんは短く指示を出すと私の向かいに座る。

「早く説明してください」

どうやら後で説明するが、今説明するになったらしい。

ゼバスさん、意外とせっかちのようです。

私は1つ息をすると説明を始めた。

ルワールに入ってから魔術に支障が出ている事、そして、神殿に行き神様から神使を使う事で解消する事を言われ、先程ペットだと説明した生き物は神使である事を話した。

「神使様?これが?」

ゼバスさんは信じられないとばかりにゴンちゃんを見る。

「確かに、見た目はあれだが、身に纏うオーラは違うのようだ。神殿で感じるようなオーラを感じる」

ゼバスさんはそう言いながらゴンちゃんを見る。

やはり、見る人が見ると分るものらしい。

「つまり、二人が連れているのは神使様で、神使様は二人の魔術のサポートをすると言う事ですね」

「はい。その通りです」

「そのような理由なら分かりました」

ゼバスさんは納得した様子で頷く。

「それなら、事前にお知らせして頂ければこのようにまどろっこしい事にはならなかったのに、レックスもなんであんな風に言ったのか」

確かに、レックスさんの言い方は誤解を招く言い方だ。

けど

「敵もいるかもしれない場所だったので、レックスさんもそう言ったのだと思いますよ」

レックスさん、意外と脳筋ではないと思うんだよ。

彼は彼なりに考えている。

「まぁ、そう言う事にしておきましょう」

ゼバスさんはレックスさんの事になると少し冷たいように思うが、納得してくれたなら良かった。

お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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