表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
217/270

寝て曜日とは

「ミリア、今日は町を見て回る予定だよね」

レックスさんはそう言いながら食事を始める。

そうだ、食事どころではなかった。

レックスさんと今日市場調査のために、色々なお店を見て回る約束をしていた事を思い出す。

しかし、今私は戦力外通告を受けたばり、その対策をしなくてはならない。

つまり、レックスさんとの約束を反故にしなくてはいけないのだ。

チラリとレックスさんを見るととても楽しそうにご飯を食べている。

「すいません、私、今日はちょっと疲れてまして・・・」

良い言い訳が見つからず歯切れ悪く話を出す。

勿論、突如私の歯切れ悪い言葉にレックスさんは止まってしまった。

「ずっと旅をして来て、ここに来て疲れがどっと出たと言いますか」

昨日までのテンションでそれは無いだろうと言うセリフを言う私。

「つまりですね。今日は寝て曜日にしようかと思いまして」

寝て曜日、前世決してホワイトとは言えない会社で働いていた為に、週末の休みは寝て曜日と呼んでいたのを思い出す。

あぁ、懐かしいブラックな日々。

あの日々に比べたら今の方がハードワークだが、心は軽い。

決して疲れている訳ではない。

今にして思えば、体が疲れたと言うよりは、心が疲弊していたのかもしれない。

いや、体も疲れていたけどね。

エナジードリンクが懐かしいよ。

今生はポーションを飲んでいるけど、味はエナジードリンクの方が美味しかった。

ポーションは何処となく青臭い所があるから。

あれは改善の余地ありだとおもう。

今度レンジさんにそれとなく言ってみようと心に誓う。

あぁ、やっぱり何処まで行っても私は商魂逞しいのかもしれない。

前世で自分がこれ程に商売好きだと知っていたら、人生変わっていたのかもしれない。

「寝て曜日ですか?」

レックスさんは眉間にシワを寄せながら聞き返して来る。

「はい。寝て曜日です。私の故郷に伝わる言葉で、一週間仕事尽くしで疲れた週末の休みにまったりする事を寝て曜日と呼んでいます」

断言するように私はレックスさんに言った。

「なるほど、郷に入っては郷に従えと言います」

レックスさんは何かを納得するように私の言葉に相槌を打つ。

「寝て曜日ですね。では、今日はゆっくり、まったりしましょう」

トンと納得したように言うレックスさん。

ありがとう、理解してくれて。

「では、食事を終わらせて、汗を流したらミリアとゆっくり、まったりしましょう。お茶出しは宿屋に頼むと出してもらえるらしいので、食後に頼んでおきます」

レックスはそう言うと急いで食事を再開させる。

んんんん?

それって寝て曜日と違うよね。

お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ