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朝食で百面相

レックスさんと一緒に宿屋の食堂へと向かった。

既に8時半を過ぎていたので食堂にはそれほど人はいないだろうと思っていたのだが、どうやらそうでもないようだ。

何故なら裕福な人たちと商人は夜が遅いために食堂は今大盛況の真っ只中である。

裕福な人たちは夜行性の生き物だと聞いている。

そして、商人達はそんな夜行性の生き物達に品物を売る為に夜な夜な飛び回っているのだ。

なので、裕福層の人達はとても楽しげに朝の食事をしているのに対して、商人達は疲れた顔をしている。

何処の世界でもお金を稼ぐのは大変な事だとつくづく思った。

私もレックスさんは座る場所を探す。

けど、テーブル席は全て埋まっていた。

そんな時に何とか見つけたのはカウンター席だ。

食堂に何故カウンター席?と思うかもしれないが、ここは夜にはお酒も出しており、そのためにカウンターの席があるのだ。

私達はそこに並ぶように座ると本日のおすすめメニューを頼んだ。

本日のおすすめメニューはカリカリに焼かれたトーストにバターが乗せてあるとても美味しそうな食パンに、スクランブルエッグと側面カリカリに焼かれた厚切りベーコン、野菜サラダに飲み物はミルクだ。

定番中の定番。

だが、定番なだけに飽きが来ない。

代金はその場で支払うシステムになっており、食事と交換で支払をする。

なので、食い逃げと言う観念はルワールにはない。

マルセタでは後払いだったので、これもお国柄なのだろうと思った。

「では、いただきます」

私は手を合わせてから野菜のサラダを食べた。

ドレッシングと言う物がないので、サラダはマヨネーズがかけてあるだけだ。

マヨネーズがある事に感謝しかない。

前世でマヨネーズを自分で作るのが結構大変だった事を思い出す。

あの味加減が難しかったんだよね。

そして、ミルクも一口コクンと飲む。

とても濃厚な味だ。

流石、良い宿屋は使っている食材も良いようだ。

上流階級が泊まるような宿屋だと、どんな感じかと思わず考えてしまう。

一度は泊まってみたいとゼバスさんに言ってみようかと真剣に考えてしまった。

まぁ、隠密行動ではないけど、あまり目立たないように旅をする事になっているので多分許しは来ないだろう。

パクパクと味を堪能しながら食べていると、レックスさんの視線に気付く。

レックスさんは殆ど食べておらず、私の方を見ていた。

「食べないんですか?」

私がレックスさんに問い掛けると

「ミリアの百面相が面白くて、つい見ていた」

と、何とも言えない回答を貰う。

「は?」

思わず手に持っていたホークを落としそうになった。

私、そんなに変な顔していたかしら?

お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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