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神殿にて

「何故転移出来ないの?」

こんな事はマルセタに居た時はなかった。

「ルワールに入ったから出来なくてなった?」

原因は分からないが、違う事と言ったらそれくらいだ。

そう言えば、ルワールに入って直ぐに神様の力を借りた魔術を発動させるのに、大量の神力を消費したように思う。

それと、今回の事は何か繋がっているのではないだろうか?

そう推測する。

「明日は市場調査をしようと思っていたけど、神殿に行って確認した方が良いかも」

神殿にある像は神様の依代にもなるらしい。

前にウカさんが言っていた。

つまり、神様とコンタクトがとれると言う事だ。

「悩んでいても仕方がない、今日は早く寝て明日に備えよう」

私はベッドに潜り込むと明日に備えてそのまま眠りに着いた。


******


翌朝、私は朝食の前に礼拝をしたいと話、今現在、光の神様の神殿に来ている。

基本的に神殿が行う一般公開の礼拝は日曜日となっており、平日は聖職者が朝のお祈りをした後は神殿内は自由に出入りが出来るようになっている。

神殿に入ると誰もおらず静寂の中私の足音だけが響いた。

朝日が入り込むステンドガラスが神殿内を神秘的に照らす。

そこは、なんとなく懐かしい気配を感じさせる場所だった。

本来なら神域なのでピリピリと力を感じると言えば良いのだろうが、私にはとても馴染みのある気配だ。

けど、マルセタにいた時に感じたくらいの気配は残念ながら感じない。

微かに神様と繋がりを感じる程度の感覚だ。

私は光の神の象の前まで来ると深々と足を折り祈りを捧げる。

「光の女神様、ララーさん。お願い私の声に応えて」

祈るとは正にこの事だと言うように祈りを捧げる。

すると、私の体をララーさんが包み込むような気配を感じた。

「エトラ、私が分かる?」

ララーさんの微かな細い声が聞こえる。

私は心の中で必死にララーさんに問い掛けた。

「ララーさん、何故か転移の魔術が使えなくなりました。その他にも、使う魔術に消費する神力も増えて」

疑問が堰きを切ったように溢れ出す。

「エトラ、ごめんなさいね。ヤマタノオロチの力がこれ程強くなっているとは思わなかったの。ルワールに入った時点で既にヤマタノオロチの領域に入ってしまったの。だから我々神々の力が阻害されているのよ」

なんて事だろう。

私の力は殆どが神様達から与えられた力だ。

それが使えないと言う事は戦力外通告を受けたも同然。

戦いの足を引っ張るだけの存在になる。

「それでね、エトラは神使と契約していたわよね」

神使、ゴンちゃんやニョロちゃんの事だろう。

「神使は私達と常にコネクトがとれている存在。それと、エトラに渡してある麻袋は別次元へと繋がっている入口でもあるの、そこから神使を呼んで魔術を発動させる手伝いをさせれば良いわ」

なるほど。

今正に、神使の正しい使い方を聞いたような気がする。

「但し、空間を歪める魔術は制限がかかるから使えないわ。必ず何かを媒体にしないといけないから。詳しくは神使に聞いて、これ以上は私もここに留まれないから」

ララーさんはそう告げるとスッと私から離れた。

媒体とは、きっとララーさんが依代に使う光の女神像のような物を言うのだろう。

今日は色々と予定変更だ。

レックスさんには悪いけど、今日はこのまま部屋で作戦会議だ。

お読みいただきありがとうございます。また読んで頂けたら幸いです。

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