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お姉様とお呼び

お久しぶりです。

最近めっきり寒くなり、少しの間体調を崩していました。

皆様も体調には十分気をつけお過ごしください。

久し振りの執筆で少し文面が硬いかもしれません。

少しの間、筆慣らしと思って頂けたら幸いです。

「ミリア様、当たり前のことを当たり前にできる人ってそんなにいないものなんですよ」

モリーさんはそう言うと、ニコリとする。

「大人なら致し方なく、やらなくちゃいけないことをやるかもしれません。ですが、ミリア様は今お子様です。お子様は意外とやりたくないことに積極的に取り組むことなんて出来ないんですよ。なので、ミリア様が 今まで努力してきたことに私は敬意を表します。レンジ様が認めるだけの方だと私は思っておりますよ」

なんとなく胸の奥にグッとくるものがあった。

思わずポロリと涙が出てしまう。

一生懸命頑張って、頑張って、やっとここまで来た。

でも本当は辛かったのかもしれない、何かを誤魔化すためにがむしゃらに頑張って、そして今モリーさんに言われた言葉に思わず涙が出てしまった。

自分の気持ちに初めて気づかされたのだ。

「だから、大変な時は大変って、悲しい時は悲しいって大人に言いなさい。だってまだ子供なんだから」

そう言って微笑むモリーさんはやっぱり立派な大人なのだと思わされる。

「とりあえず、この旅の間だけは私がミリア様のお姉さんになりますからね。何でも私に言ってください」

モリーさんは清々しいくらい堂々と宣言する。

「・・・お姉さん」

初めての言葉だ。

今生では王族だけあり姉は沢山いたけど、姉と呼んだ事はない。

とても新鮮な響きの言葉だ。

「モリーお姉さん」

私が勇気を出して言うと、モリーさんは「チッチッチ」と指を振る。

「ミリア様、こう言う時はお姉様と言うものですよ」

「ホホホ」と楽しそうに笑うモリーさん。

お姉様と言えとは、ちょっとハードルが高いような気もする。

でも、何故だろう、逆らったら駄目な気がする。

「モリーお姉様」

私が勇気を出して言ってみると、モリーさんはニコリと微笑んだ。

「はい、ミリア様」

お姉様と呼んだ相手から様付けで返されるのは、なんか変な気分だ。

「これからミリア様は私の保護下に入ります。覚えておいて下さいね」

モリーさんは更に何かを宣言するように私に言った。

「私がミリア様をお守り致します」

何だろう、凄く安心出来る。

「ミリア様のこと、結構気に入ってますのよ」

さっきまで退屈だった馬車の旅は、案外楽しいものになった。

友達とは違うけど、モリーさんは何故かリナさんを彷彿させた。

姿形が似ている訳ではないけど、多分性格が似ているのだろう、醸し出す雰囲気と言うか。

そう思うと久し振りにリナさんに会いたくなる。

旅を始めてから会っていない。

色々忙しかったから気にもしなかったが、いざ時間が出来ると思い出してしまう。

リナさん、今頃何をしているかな?

そんな事をぼんやり考えてしまう。

そう言えばクロードさん達とも最近会っていないなぁ、今夜あたりちょっとヤマト島へ行ってみようか、と思案する。

お読みいただきありがとうございます。

次回も読んで頂けたら幸いです。

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