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夫婦の演技ですかね

「エトラ大丈夫か?」

レックスさんは戦闘が終わると直ぐに私に駆け寄って来た。

勿論、皆さんに守ってもらってたんだから私は無傷ですけどね。

「こんな言い方、君を否定するわけじゃないけど、俺にエトラを守らせて欲しい」

そのセリフにゼバスさんが「ミリア様です」と訂正を入れる。

ゼバスさん、ちょっと残念です。

「だからミリア。俺にお前を守らせてほしい。まだそれほど強くないし、頼りないかもしれないけど、これから十分に伸びしろはあると思うんだ。俺にお前を守らせてくれる権利をくれ」

「それって、もしかして」

の展開でしょうか?

「勿論友達としてだ」

レックスさん、めちゃくちゃ残念ですよ、その言い方。

ちょっと胸がキュンとしたのにそれはないな。

「友達ですか?」

そうだよね。

今は男装中なので、男を本気で口説いてくるような男はいないだろうし。

そうですよね。

いかんいかん。

一応私は夫のある身なのに。

「レックスさん、ありがとう。そう言ってくれて、これからは頼りにしてるよ」

色々残念でしたけど。

ゼバスさんが「ゴホン、ゴホン」と咳払いをすると「アレックスです」と冷たく言い放った。

あっ、そうか。

私たちはルアールに入るにあたり、演技をすることになっていたんだ。

私はミリア元王女で、レックスさんはその夫のアレックスということになる。

つまり、レックスさんはアレックスになりすまして私にそう言っていたということだ。

なるほど、納得です。

レックスさん、すごい演技派ですね。

そうだよね、一応私たち演技とはいえ、夫婦なんだよね。

これは乗らないといけないんだろうか?

ギャラリーがいないような気がするんですよね。

だって今見てるのはゼバスさんとメイドさんのお二人だけですから。

でも、待てよ。

もしかして、さっきの武装集団の黒幕がどこからかこの現場を見ているとか?この世界ファンタジーな世界だ、ありえるかもしれない。

つまり、ここは私たちが夫婦の演技をしなくてはいけないということなのではないだろうか?

私はそう思い至り、ニコリとレックスさんに微笑む。

「アレックスさん、頼りにしてますよ。だって、私たち夫婦ですからね。ねぇ、私の旦那様」

ニコリと微笑むとレックスさんは見る見る顔を赤くして、ズドーンと後ろに転倒してしまった。

何ゆえに?

それを見ていたゼバスさんはお腹を抱えて笑い出す。

「アハハハハ、超ウケますよ。ミリア様。最高です」

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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