表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/270

ユグの町に着きました

まさかの徹夜です。

完徹ですよ。

朝まで漕いでしまいました。

ケイレブさんも心配しているだろうと思っていたんですが、どうやらレックスさんが事前に連絡を入れていたようです。

すごい。い

つの間にそんな芸当が?全然気づきませんでした。

と言うか「お腹が減ったー」その一言に尽きる。

朝にユグの町に着いた私達は直ぐに食事が取れる場所を探す。

なにせライトに感動するあまりテンションマックスになってしまったレックスさんが、食事も取らずに自転車を漕ぐものだから、私はそれを追いかけるので精一杯で、はぐれないように、はぐれないようにと頑張った結果がこれですよ。

朝日を横に浴び私は悟った。

完徹だと。

しかし、若いっていいよね。

全然眠くないや。

いや、眠いけどまだいける?そんな感じです。

「ユグの町には基本的に宿屋がないんですよ。なので、ここで食事処というのは、本当に魔獣等の肉料理とかを中心に出しているお店です。穀物の蓄えは多少はありますが、新鮮な野菜はあまり期待しない方がいいでしょう」

そう言って、私はレックスさんに連れられながら食堂へと入った。

朝の食堂は賑わっており、すごい豪華な食事が振る舞われている。

朝から何かの肉の丸焼きみたいなものが次々と出てくる。

周りには名だたる冒険者ですと言う風貌の方達がひしめき合っていた。

どこかの運動部の部活帰りのような感じに次々と食事を食べている冒険者達。

私達は空いているスペースを探す。

すると、店の端ある小さなテーブルが空いており、私達はそこへと進んだ。

「すみません。今日のおすすめは何ですか?」

席に着くとレックスさんは店員さんを呼び問い掛ける。

「今日はオーガ肉が入ったからそれでどうだ?朝のセットがあるぜ」

超上から目線である。

オーガ肉はどちらかというと豚肉に似ているらしい。

「では、その朝のセットを二人前。野菜はあるか?」とレックスさんが確認する。

「そんなもん、ここで食えると思うな。そんなに野菜を食いたきゃ、ここじゃなく違うとこへ行けや」

凄い俺様商売だ。

それでもこの賑わい。

レックスさんは「それでは良いです」と言葉を取り下げる。

朝のセットはオーガ肉のシチューとパンのみだ。

シチューは本当に肉しか入っておらず野菜が不足している。

「あの、貯蔵できるようなお野菜とかはないんですか?例えば人参やじゃがいもとか」

私がそう言うと店員はガハハッと笑いだす。

「お前、そんなに家畜の餌が食いたいのか?」と。

それは昔の情報だ。

私が芋料理を国に提示してからは、王都でも人気を博している。


国からも承認された立派な人間様の食べ物だ。

閉鎖的なこの地域。

独裁政権のようなこの場所では余計な情報が入ってこないのかもしれない。

それでも、店主は機嫌を損ねたようで、ふっかけられるような値段を提示されびっくりした。

「1万リラですか?」

オーガ肉は確かに豚肉よりは高いが、シチューとパンのみの二人前なのに一万リラも取られるのは普通に考えて高すぎる。

野菜も入ってなければ何にもない。

オーガ肉のみのシチューだ。

ちなみにオーガ肉は豚肉よりは高いが、倍ほどの値段というわけでもない。

いたってポピュラーな魔獣の肉なのだ。

それなのにこの値段はふっかけすぎである。

「ここはなぁ。なかなか食料が手に入らない場所なんだ。食べられるだけありがたいと思わなきゃいけないんだぞ。今回は勉強したと思って払うんだな」と店主はすごく威張り散らして言う。

値段を確認しないで頼んだこちらも悪いし、盗賊討伐前の大事な時期に下手な争いは避けたかった為に一万リラを支払った。

そんな私たちにやり取りを他の冒険者が面白そうに眺めていた。

多分これは店主にカモられたんだと確信する。

他の人が払っていく金額はオーガ肉の丸焼きを頼んだ人でも、やはり一万リラもしていなかった。

やはりボッタクられたようだ。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ