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隣人

ハンナさんが落ち着くと私はハンナさんにお願いして倉庫の中を見学した。


古い石造りの建物の中は夏場でも少し涼しい。


扉を開けて一歩中へ入るとキッチンに置いてあった木箱がこれでもかと言う位山積みになっていた。


外よりちょっと涼しい程度だから、真夏になったら温度を調整しなくてはいけないなぁと、ぼんやりとそんな事を考える。


今直ぐの対応でないので、直ぐに頭を切り替えた。


「じゃあ、お祖母様。先程のお仕事の件でお隣に伺いますか」

善は急げと言う。

私の提案にハンナさんは「ええ、そうしましょう」と嬉しそうに頷く。

けど、私の目的は人員確保ではなかった。

純粋にキッチングッズが欲しいのだ。


お店から外に出て右側が金物屋さんで、ハンナさんはお店が閉まっているのに何も気にするとこなく自然とお店の中へ入って行く。

「こんにちは~ベラ居る?」

ハンナさんの声に奥から「居るわよ、入って〜」と朗らかな声が返って来る。

入っても何も、既に入っているんだけど。

ハンナさんは私の手を取ると奥へと入って行った。


奥の扉を開けるとダイニングがあり、そこでここの店主らしい男性と先程の声の主であろう女性がお茶を飲んでいた。


「さっき礼拝が終わって帰って来たところなの。一緒にお茶を飲みましょう」


そう言うと、その女性はハンナさんを席に促す。

そこで、私の存在に気付いた。


「あら、子供?」


女性は私を見るなり目を大きくしてハンナさんの方を見る。

「ええ、孫のエトラだけ無事に帰って来たの」

ハンナさんは私の頭を撫でならが説明をする。

すると、その女性は目を潤ませながらハンナさんに抱きついた。

「良かったわね。お孫さんが無事に帰って来て」

そして、ハンナさんを離すと私と目線を合わせるように腰を下ろし

「初めまして、私はベラよ。実はね赤ちゃんの時に会っているんだけど、あの時の赤ちゃんがこんなに大きくなるなんてね」

ベラさんはそう言うと私にも席を促す。

「それと、私の夫のジョンよ」

ジョンと紹介された男性は私の方を見ると「ああ」とだけ言ってお茶を飲んだ。

「ごめんなさいね。家のはこの通りぶっきら棒で」

困ったように言うベラさんに私は「大丈夫です」と営業スマイルで応える。


何せ、大事なピーラーのためだ。

ここで好印象は必須。


私達が席に着くとベラさんはお茶を置く。

「甘めにしておいたからね」

「ありがとうございます」

丁寧に返事をすると、ベラさんが感嘆する。

「まぁ、家の息子にも見習わせないと」

そりゃ、営業スマイルですから。


お読み頂きありがとうございます。

また、読んで頂けたら幸いです。

執筆のモチベーションアップのため高評価頂けたら嬉しいです。

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