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自転車が車並みに速い

宿屋の部屋に転移すると、そのままチェックアウトをする。

そして宿屋に預けていた馬を回収すると、ある程度町から離れた所でレンジさんの別荘へと転移し預けてくる。

ちょっと馬がビックリしたのはご愛嬌だろう。

そらから私とレックスさんは王都目指して自転車をこぐ。

道が分からないので先頭はレックスさん、その後ろを私がと言う形だ。

最初は並走していたのに、いつの間にかスピードが早まり、今の私はレックスさんの自転車にくっついてスリップストリーム状態だ。

既に自転車の速度は馬の全力疾走と同等、前世の車を思わせる速度になっていた。

「これってコケたらヤバくない?」

一瞬そんな事が頭を過るが、前世と今では身体能力が違う。

レベルを上げ続けた今の私は2階建ての屋根から飛び降りても優雅に着地出来る程度には強くなっている。

冒険者ランクSのレックスさんならきっとそれ以上だと思う。 故に、余裕で暴走する私達。

今日到着予定の村は出発一時間余りで通過。

村人は呆然と私達を眺めていた。

明日到着予定の町も出発二時間で通過。 

乗りに乗った私達は馬も飛び跳ねる勢いで通り過ぎた。 

そして、出発して五時間後

「レックスさん、お昼過ぎているんですけど、そろそろご飯にしませんか?」

風で声が流れるなか、レックスさんはその声を聞いていたようで

「すみません。乗れるようになったら楽しくって、夢中になり食事の事を失念していました」

レックスさんは風魔法で私に話し掛けてくる。

なるほど、こういう使い方もあったか。

私もレックスさんを真似て風魔法で返答する。

「大丈夫です。次の町か村でご飯にしましょう」

そう提案する。

しかし、あれから更に速度を早めた私達は既に7つの村と町を通り過ぎていた。

次の町は何処なのか?

道も先程から形が良くなっており、道幅も大きい。

たまに馬車が走っているが、私達は気にせずに脇を通り過ぎている。

周りに迷惑にならないようにとレックスさんが風魔法で風圧をコントロールしており、今のところ順調に進んでいた。

「エトラさん、次の町ですが、王都の一つ手前の町になります」

レックスさんが言い難そうに教えてくれる。

「本当ならここまでの行程は2週間程かかるはずでしたが、ちょっと調子に乗ってしまいました」

そうですよね。

途中から乗り物間違えたか?と思う程のスピードでしたから。

基本的に馬は休憩を交えながらゆっくりと進むので、王都までの行程も無理のない内容でキリさんが立て直してくれたのだ。

バーナードさんの鬼行程を作り直して。

けど、そんなキリさんの苦労を私は自転車と言う道具で一瞬の内に無駄にした。

後でキリさんには謝っておこう。

そして、自転車販売の餌で誤魔化そう。

そう心に誓った。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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