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美味しいけど玉ねぎ尽くしは

最初に出て来たのは、玉ねぎステーキ。

3段重ねの玉ねぎステーキからは香ばしい匂いが漂い、上には厚切りのベーコンが乗っていて確かに美味しそうだ。

それにサーモンサラダ、サーモンの下にはどっさりと玉ねぎスライスが鎮座しており、既に玉ねぎだけでお腹がいっぱいになりそうだ。

そして、玉ねぎスープ。

確かに玉ねぎスープは美味しそうだけど、玉ねぎがここまで主張するのもどうかと思う。

そして、主食はナポリタン。

ここでも惜しみなく玉ねぎが入っている。

「ちょっと胸焼けしてきそう」

いくら美味しくっても限度がある。

好きですよ玉ねぎ料理。

けど、全て玉ねぎで攻められるのはちょっと。

「ここは玉ねぎ農家が多くて、あっ、勿論他の野菜も作っていますよ。ネギとか。けど、あまり上手く育たないようで」

玉ねぎとネギが一面に植えられている光景は壮大だろう。

けど、レックスさんの言う事には思い当たる節がある。

そう、野菜の連作障害だ。

玉ねぎは確かに連作障害が起きる可能性の低い野菜だ。

けど、他にもあるよね。

カボチャとかサツマイモとか。

ここはドンさんの出番だろう。

後でキリさんに連絡しよう。

ドンさんの手配と、玉ねぎ尽くし料理の改善を。

そして、玉ねぎステーキは意外と美味しかったです。

いえねぇ、他の玉ねぎ料理も美味しかったですよ。

けど、やっぱり玉ねぎ尽くしと言うのはねぇ、マグロ尽くしとかは聞いた事はあるけど。

「玉ねぎ料理、美味しかったですね。やはりエトラさんのお店は味付けが違う」

レックスさんはべた褒めしてくれる。

ええ、味付けは美味しいですよね。

ヤマト島の調味料を惜しみなく提供して、私のレシピ本もあれから続々と出していて、それを元に料理を提供していますから。

玉ねぎステーキは流石に書いていないけど、色々な料理に使えるソース本も出しているので、それの応用ですね。

主に日本食に使うような醤油や味噌はこの国では出回っていませんでしたから。

そして、お会計の時にも料理で使った調味料や特製ソースもちゃっかり売っているのも、前世の知識です。

「ケイレブもここのソースを絶賛していてね。お土産に買って帰ろう」

レックスさん、毎度ありがとうございます。

経営者としてお礼申し上げます。

お礼と言えばやっぱり、

「すみません。この本日のデザートを二つお願いします」

近くを通りかかったウエイターさんに声を掛けると

「すみません。ラストオーダーは終了しました」

と丁寧に頭を下げられた。

えっ、まだ7時45分だけど。

時計を確認するも、やはり間違ってはいない。

「あの、ラストオーダーの時間ではないと思うんですけど。他のチェーン店ではまだ大丈夫でしたよ」

ちょっとイラッとしながら聞くと、ウエイターは深いため息を吐き。

「ここでは7時30分がラストオーダーなんです」と、

これはキリさんに報告して厳重注意ですね。

つけてもいないメガネがキラリと光った。


お読みいただきありがとうございます。また、読んでいただけたら幸いです。

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