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ダンジョンボスは一応ドラゴンらしい

光るブレスは炎とは違い闇や魔獣に効果テキメンのブレスだ。

間一髪の所でレックスさんは瞬時に前方へと難を逃れた。


「ミッドガルドの大蛇、ここのダンジョンボスか」

ミッドガルドの大蛇は別名ヨルムンガンドと言われている幻獣で、巨大な毒蛇だ。この世界ではドラゴンの一種とされており、ダンジョンボスとしては結構強敵である。

モロ蛇だけど、一応ドラゴン属性扱いになる。

「あの牙に少しでも触れると即猛毒に侵されてしまうので、ある程度の距離をとり攻撃する方が良い」

レックスさんは早口に敵の説明をする。

「所で、そのドラゴンはなんだ?」

そりゃそうですよね。

「一応、私がテイムしたトカゲ系の魔獣です」

ドラゴンと言われたのにトカゲ系の魔獣と説明するのには、少し無理があるように思う。

けど、ギルドではこれで通った。

そして、レックスさんは明らかに怪しいと言いたげに胡乱な目で私を見る。

いえね。

うん。

私も無理があると思ってはいたんですよ。

けど、ドラゴンって肯定するのも色々と不味いんです。

基本的にドラゴン系の魔獣はダンジョンボスクラスですし、ダンジョンボスはテイム出来ない事になっているんです。

一応ね。

それが出来るとなると、色々な法則を破ると言うかなんと言うか。

多分他のドラゴンもやりようによってはテイム可だとは思うんです。

けど、この世界の魔獣テイムの条件が結構難易度を高くしているんですよ。

因みにですが、ゴンちゃんは高位のドラゴンで現存するこの世界のドラゴンの中では最高峰らしい。

これに匹敵するのがヤマタノオロチなんだとか。

まぁ、ゴンちゃんは神使ですし、この世界的に言うと神獣になるので、ダンジョンボスは格下なんですよ。

何せ、ダンジョンボスは幻獣が最高峰ですからね。

つまり、ここのダンジョンボスは幻獣なので結構強いと言う事です。

「先ずは俺の魔術で対応して見る」

レックスさんは相手との間合いをとりつつ魔術行使の為に体制を整える。

そして、魔力を練り上げ『焔の柱』と呪文を唱えた。 

クロードさんに魔術を教えて貰って分かったことだが、普通の魔術師は中級以上の威力の魔術を発動させる時、呪文を唱えるのに1分前後の時間を要するらしい。

そして、その呪文が目茶苦茶恥ずかしいもので『我は力を乞う者なり、この身に宿りし魔力を対価に我の求めし力を欲する者なり』とか、やたらと長い呪文を唱えなくてはいけないのだ。

なんだろう、この中二病的な呪文は。


つまり、レックスさんのように結果だけの単語の呪文を発動出来る魔術師はほぼ無詠唱魔術師扱いになるらしい。

加護持ちの大半が無詠唱魔術師らしく、私もクロードさんやララーさんの加護があるので出来るのだとか。


あんな恥ずかしいセリフを言わなくて済むことに感謝しかない。


お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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