7階層へジャンプ
隠しルートは何ヶ所か存在し、階層を跨ぐ物も何種類か存在する。
その中でも最も深く潜れる隠しルートが入口から歩く事10分の地点にあった。
入口に近い為か、他の冒険者にも魔獣にも遭遇しなかったのは幸い?だ。
行き止まりのような壁に風の魔法をかけると隠しルートの扉が開く仕組みになっていた。
「隠しルートの扉を見つけるのも大変だし、解除方も多岐にわたる為に見つけられるのがレアな事なんだがなぁ」
バーナードさんはそう言うと頭をガリガリとかく。
「お前等が神の山を攻略したらユグの村の側にある無限ダンジョン攻略に行かねぇか?」
「無限ダンジョンですか?」
何だろう、そのフラグっぽい名前は
「今の所300階層まであると言われているこの国最大級のダンジョンです。記録では266階層まで潜ったS級冒険者パーティーが最高記録で、それ以上は未だに解明されていません。勿論、ダンジョンボスも詳細不明です」
「10年なるかなぁ、突然現れたダンジョンでなぁ、別名冒険者の墓場とも言われている」
「何箇所かの階層に魔法遮断の地層がある為に、ダンジョン脱出の魔法が一度では使えない所があります。故に、慣れていない冒険者が魔力と体力切れで帰って来ない事でも有名な所です。師匠には何度も連れて行かれましたけどね。3ヶ月潜った時は食料難で、魔獣が肉に見えたくらいですよ」
レックスさんは遠い目をして話してくれた。
そうだろうなぁ、バーナードさんの食欲じゃぁ、直ぐに食料不足になってしまうよ。
どちらにしろ、素材回収していても、肉の部分は腐ってしまうから、ちゃんと洗浄、浄化して食べてしまうのは良いことだと思う。
「お陰で、魔獣を倒す事よりも、魔獣を解体する技術の方が上がったくらいだ。今は生き物の解体レベルがプロ以上になっているよ」
チラリと聞いたら解体レベルは58だと言う。
精肉店の店主でさえ20レベル台だと言うのにだ。
ついでに調理レベルも見てみたら、それもレベル45と目茶苦茶高い。
一流料理店で料理長を努めるのにレベル30は欲しいと言われている事を考えると、この人、目茶苦茶料理上手なんじゃないかな?
これって、日本の言葉で何て言ったっけ?
そう、器用貧乏だ。
手先が器用なのになぁ。
冒険者辞める事があったら、うちの商会のレストランのシェフしてくれないかしら?
マジ本気で。
「おい、なにモタモタしているんだ」
そんな事を考えていると、突然バーナードさんが後ろから声をかけ突然私達を押して来た。
そこは7階層までの隠しルートで中は空洞。
ウォータースライダーじゃなかったけど、これって・・・。
何もない空洞?
文字通り、私達は7階層へジャンプしたのだ。
「嘘でしょう?」
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