ダンジョンまでの転移魔術で消耗しています
ダンジョンの入口の近くの大きな木の後ろの風景を頭の中にイメージとしてインプットする。
こらがゲームなら何処どこの祠前とか、ダンジョン前とか選択肢が出てきて楽なんだけど、現実はそうではない。
ひたすら場所のイメージをする。
何せ、イメージ出来ない時は出発点と着地点の計算をしなくていけないからだ。
5分位その場所を見て、少し移動してから転移魔術で覚えられたか確認をする。
転移魔術は神力を消耗する。
例えば、三人での移動では、一回の転移魔術の発動に0.1消耗する。
また、距離が離れていると、その距離によっても消耗する神力は違う。
今まで確認した所、10キロ以内だと変わらないがそれ以降50キロ以内は0.2の神力を消耗するようだ。
それ以降は試していないのでまだ定かではない。
それと、神力の事はヤマト島関係者以外には秘密になっている。
バレた場合ヤマト島の民達が魔力の少ない貴族の餌食になってしまうかもしれないからだ。
と、言うのも、キリさんの子供が生まれて少ししてから神様が度々降臨するのに魔力が1しかないのはおかしいとキリさんがリナさんに聞いたらしく、事情を説明したのだ。
その後にキリさんからくれぐれも他の人には言わないようにと釘を刺された。
もし、万が一バレた時はヤマト島の巫女なのでと誤魔化すように言われている。
男装しているこの格好で巫女です発言は苦しくないだろうか?
それとも巫女さんって男もなれるものなの?
疑問はつきない。
で、何が言いたいかと言うと、何回か練習したので、私の神力はバリバリ減ったと言う事だ。
このままではダンジョンボス戦の後にレンジさんの別荘へ戻るだけの力が残るかが疑問だ。
少し寝れば回復するだろうけど、何せあの魔力を枯渇させるのをモットーとしているバーナードさんが一緒なのだ。
気を抜かないようにしなくてはならない。
「大丈夫そうです。そろそろ戻りましょう。レックスさん」
「はい。そうしましょう。師匠を一人でお留守番させているので少々心配なんです」
子供に心配される大人の師匠とは?
そして、無事にバーナードさんと合流した後に順調に馬を進め、午後3時頃に村に到着。
バーナードさんは安い宿屋の一室を借りて直ぐにダンジョンへと飛んだ。
宿屋の主人には数日野営だったのでゆっくりと休みたいからと話、起きて来るまで部屋には来ないように話す。
勿論、宿代は前金でニコニコ現金払いをした。
宿屋の主人は機嫌良く了承。
やっぱり現玉の力は世界共通のようだ。
「よし、心置きなく攻略するぞ」
バーナードさんは一人で意気揚々とダンジョンへと入る。
「では、我々も行きましょう。ここは5階層まではCランク冒険者でも普通に進めますが、6階層からは魔獣のレベルが急に変わりAランク冒険者クラスでないと大変になります。ですので、エトラさんは俺の側から離れないようにしてくださいね」
レックスさんはそう言うとダンジョンへと入って行った。
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