パリパリ食感が良い
私はジャガイモを取ると昨日と同じように皮むきを始める。
ハンナさんも私に習うように皮むきを始めた。
「ポテトフライはフライドポテトと同じように作業して行きます。先程も言いましたが、本来はポテトフライもフライドポテトも同じ意味で、単に私が区別する為に言い換えているだけです。工程も同じですが、今回は小麦粉は使わなくて大丈夫です。後、ジャガイモを切る時には輪切りでお願いします」
私はそう言うと皮むきが終わったジャガイモを輪切りにして行く。
「薄く切った物もパリパリして美味しいですよ」
そう言うと、私は先程のより薄くスライスするようにジャガイモを切ると、さっと水に入れ次の準備をする。
鍋に油を入れ火を着けたらジャガイモを水から出して水を切る。
そして、タオルで水気を取り箸で油の温度を確認したらサッと切ったジャガイモを油の中へと投下した。
揚げ物をしている時に何時も思うのは、このキッチンにキッチンペーパーが無い事だ。
このキッチンを昨日ザッと見たが、便利なキッチングッズはなかった。
お金に余裕が出来たらハンナさんと便利なキッチングッズを買いに行こうと固く心に誓う。
だって、昨日からつくづく思うのは、ピーラーが欲しいの一言だ。
大量のジャガイモの皮むきは正直包丁だけでは時間が掛かるし、下手すると皮が厚くなり食べる部分が減ってしまう。
故に、便利なキッチングッズを探しに行かなきゃ。
固く心に誓いガッツポーズを取ると、私は油からジャガイモを取り上げ、塩を降る。
「こんな感じです。やり方はそんなに違わないのですが、大丈夫でしょうか?」
私はハンナさんへ問い掛けると、既にハンナさんが揚げたてのジャガイモを一枚取り試食をしている所だった。
すっ、素早い。
パリッと音を立てて食べるハンナさん。
「何これ、昨日とは全然違う美味しさ」
すると、ハンナさんに釣られたのか旦那さんも一枚パリパリと試食をする。
「なんだ、この食感は初めての味だ」
そりゃそうだ。
何せこの世界の人々はジャガイモは家畜の餌と思っていたのだから、人間様としては初めての食材だろう。
「薄い物は冷めても美味しいので、お持ち帰り用にいっぱい作っても良いと思います。昨日作った物は温かい方が美味しいので、今日の午前はこの薄いタイプを作り溜めしておきましょう」
「それは良いわね。でも、その前に朝食にしましょうか」
「はい。夕食前に寝落ちしたので、もうお腹がペコペコです」
ハンナさんの言葉にそう返すと、何故か二人共微妙な顔になってしまった。
何で?
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