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アボカド美味しいですね

先ずはアボカドとマグロとチーズの前菜からテーブルに並べる。

実はこのアボカドは農場神様の所から収穫して来たものだ。

と、言うのもアボカドは今が収穫時期ではないためで、このお店をオープンする頃に収穫時期を向かえる為に急いで農場神様の農場から収穫してきたのだが、アボカドの木は思ったより大きく、いっぱい収穫できたのだ。

ついでに言えばいっぱいの神力を消耗したとも言える。

そんな前菜をレンジさんがパクリと食べた。

一瞬目を見開き、再び箸をアボカドに定めてパクリ食べる。

すると考え込むような感じでアボカドを凝視した。

「どうかされましたか?」

私が問い掛けるとレンジさんが

「アボカドの収穫時期ではないと思ったもので」

と、言葉を濁す。

「あぁ、そうですよね。実は神様から頂いた物です」

私の神力を使って収穫したが、間違ってはいないはず。

「神様からですか?なるほど、合点がいきました」

レンジさんはそう言うとまた一口アボカドを口にいれる。

ゆっくりと咀嚼し何かを噛み締めるようにゴクリと飲み込んだ。

「実は、私の妻が病床に伏しておりまして、これ程美味しい食べ物を是非食べさせて上げたいと思いましてね」

なんと、レンジさんの妻思いのことか。

「今日のお土産に果物を準備していましたが、それと合わせて今日のアボカドもお入れしますね」

実は、農業神様の農場で取れる野菜とかは日持ちが良いのだ。

それに、味も美味しいし、栄養価も高いらしい。

何より、聖域で収穫した物だなんてご利益がありそうだよね。

「ありがとうございます。今の妻は食が細く固形物が食べれない状態でして」

レンジさんは悲しそうに奥さんの事を話す。

固形物が食べれないなんて、きっと大変な病気なのだろう。

「それでは、後日、キリさん経由で栄養価の高い食べ物をお贈りしますね」

トマトとか栄養価が高かったよね、そらとパセリも、スープを作っても良いだろうし後は何が良いかな。

「それは嬉しい申し出だ。宜しく頼むよ」

レンジさんは極上の笑みを見せた。

ちょっと好みの顔なだけに破壊力がハンパないです。

ええ、良いでしょう。

沢山収穫して箱詰めで定期配達して貰いましょう。

「奥様が早く良くなる事をお祈りいたします」

今度収穫する時は「美味しくなぁれ」と心の中で唱えるだけでなく「食べた人が元気になりますように」とも唱えよう。

そう心に誓った。

「では、そろそろメインの品を、最初はお寿司を召し上がって頂きたいと思います」

そう言って私は本日のウエイターを勤めるキリさんに声をかけた。

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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