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レンジさんにエスコートしていただいています

「まるで、本当の娘に会えたようです」

レンジさんはそう言うと優しくて目を細める。

こんなに好意的な対応を貰うとは思ってもみなかった。

「ありがとうございます。入口でお話もなんですので、どうぞ中へお入り下さい」

私がそう言いながらお店の扉を開けようとすると、直ぐにキリさんが私の横をすり抜け扉を開けてくれた。

レンジさんも紳士だけど、キリさんも紳士だ。

まぁ、自分のボスを招いたのだからその辺りは気を配っているのだろうけどね。

すると、レンジさんが軽く腕を私の方へと出して来た。

これは、エスコートしてくれると言う事だろうか?

私は躊躇いながらも、そっとレンジさんの腕に手を掛ける。

すると、レンジさんは気を良くして

「いつか息子の嫁をエスコートするのが夢だったんですよ」

と、意味不明な事を言い出す。

誰が誰の嫁なのだろう?

「息子さんがいらっしゃるんですか?」

一応情報収集は大切だ。

多分キリさんはレンジさんの情報を私に提供する気はないだろうから、今聞けるだけの情報収集をするのが得策。

「愚息が一人。子供が一人だからと少し甘やかし過ぎたようで、今、部下に躾けと言う名のお仕置きをして貰っている最中です」

躾けとお仕置きがイコールとは恐ろしい。

思わずその息子さんに同情してしまうよ。

「まぁ、そんな息子も先日結婚しましてね。その嫁が兎に角可愛いのですよ」

おお、嫁自慢が始まった。

「そうなんですね。レンジさんにそう言われるお嫁さんはきっと幸せ者ですね」

「どうしてそう思うんだね?」

レンジさんは私の顔を覗きながら問い掛けてくる。

「だって、こんなに素敵なお義父さんとその息子さんなら、きっとお嫁さんの事も大切にしてくれるはずですから」

それに、これは言い難いけど、レンジさんはとってもハンサムでカッコイイから、きっと息子さんもカッコイイのだろう。

この世界に来て色々な人、特に美形揃いの神様に会ったけど、自分の好みで言ったらダントツでレンジさんだろうなぁ。

人間味があって、優しくて、気配りが出来ていて、私のサポートも完璧で、ちょっとだけそのお嫁さんが羨ましくもある。

いかんな、こんな嫉妬するみたいな事。

そんな事を考えている内に、準備をしたテーブルへと到着する。

勿論、レンジさんが私の椅子を引いて席に着く事もエスコートしてくれた。

本当に最初から最後まで紳士的な人だ。

勿論、キリさんは裏方にと同席はしない。

今日はあくまでもレンジさんと私のお食事会だ。

お読みいただきありがとうございます。また読んでいただけたら幸いです。

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